ヨッチャンはかせ
15夜のお月見
今日は15夜でお月見の日だそうだ、でも今日は9月の10日だ。ヨッチャンはかせは不思議に思ってお母さんに聞いてみた。お母さんはすぐにスマートフォンで調べてくれた。
昔のカレンダーは月の満ち欠けでカレンダーが出来ていたそうだ。今のカレンダーは太陽の動きに合わせてあるので、昔のカレンダーとは日にちがズレるそうだ。
昔の人は月の形を見ると今日は大体何日なのか分かったそうだ。
毎月15日は月の形が満月になる、昔のカレンダーの8月15日は満月なのだそうだ。
ヨッチャンはかせは自分の目で満月が見たくなった。早速外に出てみると、月は東のほうに浮かんでいた。
ヨッチャンはかせが、その月を良く見ると、明るい月の表面にうっすらとうさぎの耳のような形が見えた。きっと昔の人はこの形を見て月にウサギがいると思ったのかもしれない。
ところで、うさぎは月で餅をついているはずなのだが、ヨッチャンはかせには、よくわからなかった。ヨッチャンは月のウサギをちゃんと見たいと思った。
本当は大きな天体望遠鏡で見てみたかったがヨッチャン博士の家には天体望遠鏡がなかった。代わりにお父さんが競馬場に持っていく双眼鏡があったので、ヨッチャンはかせはお父さんに頼んで双眼鏡を借りて来た。
ヨッチャンはかせは、月のウサギがどんな顔をしているか楽しみだった。そして昔の人が言うようにどんなふうに餅つきをしているのか見てみたいと思った。
双眼鏡を覗くと、月の表面がくっきり見えた。そこは、びっくりするほどでこぼこで、穴だらけだった。
ところがそこに、うさぎはいなかった。自分の目ではしっかり見えるのに双眼鏡で見ると、見えていたうさぎまで消えてしまった。ヨッチャンはかせはさびしくなった。
家に戻って、お母さんにそのことを話したら、お母さんは微笑んで「だって月の兎は神様の使いなんだよ」と教えてくれた。