G-BN130W2PGN

お問い合わせ先

mail@makotoazuma.com

 

今日は好日Vol.2

2024年1月5日gallery,ようこそ,自作俳句絵画 無意識

とこよとうつしよ

漢字で書くと常世と現世となるそうだ。これはあのよと、このよを神道では言葉でこのように表現するそうなのだ。実は昨日新海誠監督の「すずめの戸締り」というアニメ映画を見てきた。映画館は、ほぼ満席の状態でコロナ以降函館でこの状態は珍しい。もともと混雑は覚悟の上で、この日は特別な冊子が貰えるということもあり神妙に映画館に並んだ次第だ。 さて、新海誠監督の作品は「君の名は」という作品からも神道とのつながりが裏のテーマになっている。これらの解釈についてはYouTubeで様々な解釈がすでにアップされているので参照されると楽しみ方が膨らむ、映画のコメントを覗くと映画で曖昧にされているところに疑問や不満を持つ方もいらっしゃるようだが、見方を変えればその分楽しみも増えるような造りにも見えるので深堀して自分なりの解釈を楽しむこともできそうだ。

とはいえ、この映画をお勧めするとすれば、出来れば映画館での鑑賞をお勧めする。なぜなら新海誠作品は精細なパノラマ描写が多く、そこにこそ大切な思いが込められているように感じるからだ。 例えばこの作品の始まりは、すでにTVでも公開されていると思うが、丘を覆う野草が描かれている何気ない描写だが、劇場で見るとその野草は一本一本の動きまで執拗に描かれているのだ。 映画の意外な展開は鑑賞者を最後まで飽きさせることはない。鑑賞者はそんな主人公のヒーロー的行動に共感して胸を熱くするが、考えてみると現世では今も人知れずこの世界のことを思い、我が身を捧げている人もおられるのではないだろうか。あるいはそのために汚名を背負って寒さに震える魂もあるかもしれない。

私がこの映画を紹介した理由は、この映画からこのブログのテーマに繋がる不思議な感覚を実感として体験していただけるのではないかと思うからだ。 例えば常世は死者の世界と解釈されるが、私は無意識の世界ではないかと捉えている、また現世をうつしよと言うそうだが、これは無意識の世界の映し、つまり現世は無意識世界のフォログラムだと表現しているのではないだろうか、こんなことを考えながら映画を観ていると映画と自分の世界がリンクしているように感じて不思議な感覚になるのだ。

リンクといえば昨日はフジ子ヘミングのCDについて記事にしたばかりだったが、映画を観終わった後、映画館の最上階にあるグランポルトという料理店で不思議な体験をした。食事が終わって会計を済ませたところ、後ろを振り返ると一枚の色紙が目に飛び込んできた。そこには大きな字のローマ字でフジコヘミングとサインがあった。良く見るとキスマークまである、よっぽどこの店のサービスに満足されたのだと思う、サインの日付けは2021年だった。