今日は好日Vol.2
2023年 2月16日 なぜ平和が破られたのか
このことをTV,新聞等の報道だけで理解することは難しい。ただ言えることはいずれも極めて一方的な報道によって偏った印象が垂れ流されているということだ。このことによって失われる人命のことを思うと、なおさらこの投稿を止めることが出来ない。 現在のロシア、ウクライナ戦争は、1991年のソビエト崩壊からすでに始まっていた。その間ウクライナでは親ロシア政権と反ロシアの政権交代があった。今回そのコメントはさし控えたい。 さてこの紛争は2015年に行われたミンスク合意によって一度停戦となている。この時の交渉で焦点となったのはドネツクとルガンスク2国の扱いだ。つまり現在最前線となっているドンバス地方の自治をどうしていくかということだ、というのもこの2国にはもともと親ロシア住民が住んでいて、ロシア側の主張ではこの合意以降もウクライナ側からこの地域への攻撃が止まなかったということだ、つまりミンスクで締結された議定書は7年間守られてこなかったことになる。とは言え今回侵攻のタイミングについては分からないが、このことについて西側の我々にはほとんど知らされることがなかった。私がマスコミについて不満を漏らすのはこのような点である。 さてこの議定書には親ロシア地域であるドネツク、ルガンスクに対し特別な自治(独立)を認めろと明記されているので、もしウクライナからの攻撃が実際あったとすれば、現在ロシアの侵攻は一方的な武力侵攻とは言えなくなる。しかも元ドイツの首相だったメルケル氏からあの合意は戦争準備のための時間稼ぎだったなどと噂が流れてくれば、いったいこの戦争の目的は何なのか疑問になるのだ。 さらにこの侵攻がロシアの領土拡大を目的とする武力侵攻だと断定しづらいのは、ロシアの侵攻がドンバス地方からまったく移動していないことだ。これは昨年の侵攻開始からほとんど変っていないのである。もし領土的野心がロシアにあったとすれば、政治の中枢である首都キーウを真っ先に包囲していたはずで、このことについても西側の報道はロシア軍の侵攻が脆弱なため戦線を拡大することが出来ないでいるとの報道になっている。 はたして事実はどうなのだろうか、この状況に対しアメリカのブリンケン国務長官のコメントが伝えられている、詳細な現状認識や的確な示唆はさすがである。やはり現状のウクライナは経済を優先してEUへの加盟を急ぐべきなのかもしれない。EUに加盟できればウクライナの経済復興はそれだけ早まるに違いない。それほどウクライナ市民の生活は困窮しているということなのだとおもう、さらにこれ以上戦火を広げないためには戦車の投入ではなく一刻も早くドンバス地方の武装を撤去することだろう。つまり一度結ばれた停戦協定の履行をミンスク合意に立ち会った国々は今後も厳格に見守る必要がある。世界に条約による平和を維持させるためにはその実効性が問われなければならない。 日本もこのことを教訓として移民の受け入れは慎重であるべきだ、これまでの悲惨な世界大戦はこのような人種と領土の不一致から始まっている、平和を得るためには理想を語るだけでは済まされない現実がある。