今日は好日Vol.2
2023年 4月23日 函館公園お花見情報
今日は統一地方選挙にもかかわらず、朝から桜が気になって仕方がない。というのも昨日訪れた函館公園の様子では、桜はほぼ満開のように感じたからだ、おそらくソメイヨシノは来週初めには散り始めるかもしれない。
この公園の花見が好きなのは、屋台で焼き鳥をつまみながら花をめでるという、あまり文化的ではない楽しみ方ができることだ。とはいえひと頃は会社が年中行事として花見を企画していたくらいで、大きな会社になれば、そのための広いスペースを確保しなければならず、新人社員は朝から会社の福利厚生のためその任に当たった。そしていよいよ花見が始まり宴もたけなわとなれば、カラオケが用意され、私が子供のころは流しのおじさんが駆け付けた。しかもたいがいの宴席でジンギスカン鍋を囲んでいて、炭で焼ける肉汁の煙であたりは白く霞んでいた。こうなってくると私にとって花より団子の例えはかなり奥ゆかしくさえ思えるのだ。
そんな、騒がしい花見だったが、コロナ禍の規制が解除された久しぶりの函館公園の花見は、その時の記憶から比べればずいぶん落ち着いた印象がある。昨日は風の冷たさもあって、公園内でシートを広げてくつろぐ花見客は少なかった。おそらく花見客のピークは連休が始まったころからになるのだろうか、とはいえそれでも屋台は賑わっていた。
ところでこの時期になると、なぜか私は公園内にある博物館を訪れたくなる。今年も入場料100円で拝観することが出来た、展示は旧石器時代の遺物から始まる、私はここからして石器時代のイメージが覆される。石で作られた1センチほどのカミソリや現代のものと変わらない形状の釣り針などが展示されている、ひょっとしてこんなところにも神話にある山彦が大切にした釣り針への思いがあるのかもしれない。
今回特に印象に残ったのは2階に展示されている、刀と鍔の展示だ一見去年の展示と変わらないのではと思ってしまうが、よく見ると展示品は変更されていた、中でも特に目を引いたのは室町時代の名刀康光の展示だ。
長い切っ先、太い刀幅、そして特異な波紋は見ごたえがある。それにしてもなぜ函館でこのようなものを目にすることが出来るのだろうか、などと思いながら博物館を出た。
※筆者は博物館に展示してある刀の特徴を混同してお伝えしていました。長い切っ先太い刀幅は南北朝の刀左弘安の特徴で、康光は切っ先が短く刀幅は先細りで左弘安に比べると一見華奢な印象がありますが、波紋がつくる互の目と丁子の複雑な様子はとても印象深いものがあります。