2023年 巣穴の引っ越し
以前も同じタイトルの記事を書いたことがある。たしかエゾリスの親子がTV番組で特集されていて、ちょうど巣穴の引っ越しをしている場面だった。番組ではエゾリスの親子は、外敵から身を守るために定期的に巣穴を変えるのだそうだ。そこで木の幹に巣穴を作った母リスは、引っ越しの度に子リスをくわえて新しい巣穴に運んでいた、たいがいの子リスは母親に従順で黙って母リスに体を預けるが、中には必死で引っ越しに抵抗するリスもいた。
そんなリスの引っ越しを見ていたら微笑ましくもあるし、一見淡々と同じ動作を繰り返しているように見えるリスの暮しも、自然界における可能性の選択肢によって命を繋いでゆくものだと思う。
おそらくこの母リスは経験によって一か所に留まることのリスクを学んでいたに違いない、それに引き換え引っ越しに抵抗する子リスは生物としての本能から環境の変化に抵抗していたのかもしれない。その後リスの親子がどうなったかは分からないが、自然界において生命の安全を保つためには変化してゆくことを受け入れることが求められるのだろう。
そのことが、環境への適合に繋がるのかもしれない。一見矛盾してとらえられるかもしれないが、普遍的な命を繋ぐためには積極的に変化を受け入れるということなのだが、改めてこの文章と掲載した絵面とのギャップに自分で驚いている。一見して相いれない論理とエーモショナルの世界、どちらも現実世界で起こっていることに違いない、ということはやはり、「これでいいのだ」