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2023年 日本を護るために

2024年9月6日gallery,ようこそ,今日のできごと

2024年 5月31日 悪魔の舌は長い

その長さはまるで天の星にまで届くかのようだ。

悪魔の爪は長い、その爪はまるで世界中の宝石に彩られた長い長い指についている。

よく見るとその爪の先には目がつぶれそうになるほど眩い宝石がついていて、悪魔が言うには、これに触れるだけで
宝石は触れた者の物になるそうだ。悪魔の舌はさらに続ける、この価値は永遠でこれを手にすれば、その瞬間
から貧困や空腹から解放されるのだという。つまりこれを手に入れれば、永遠にこの世のあらゆる恐れから解放され
るのだそうだ。

そして悪魔の尻尾は長くて尖っている。その尻尾は地球上のあらゆるところに瞬時に届くそうだ。
だから私に逆らえば、いつでもこの尻尾で逆らう相手を突き刺せるのだという。

ある日、余命いくばくもない老人が悪魔の前に現れた。悪魔は老人に爪の先に付いた宝石を
触るように促した。「これで、腹が減って飢え死にすることはなくなるぞ、この宝石を早く触るがよい」

ところが老人は、悪魔に向かって「私はすでに目も見えず、歩くことさえままならない、私は今自分の魂が
救われる道を探している。あなたは私の魂を導くものなのか」とこれを聞いて悪魔は怒りだした。

「私が聞いているのは、お前が今腹を減らしていないかどうかだ。」悪魔の余りの形相に老人は恐れながら
答えた「私は今の空腹を満たすより、魂が永遠に安らげる場所を探しているのだ、そこを退きなさい」

これを聞いてすかさず、悪魔の鋭い尻尾は老人の胸を貫いた。「だからあれ程警告したのだ、お前が私に逆らうからだ」
悪魔は老人を睨みつけた。

ところが、老人の表情は悪魔の意に反して穏やかだった。そして悪魔の耳に老人の最後のつぶやきが聞こえてきた。

「主よ、この悪魔の罪をお許しください」