令和 あくび指南
2025年 2月14日 背任
例えば貴方が会社の経営者だとして、雇っている社員が自分の会社の中で他社のために働いていたとしたらどう思うだろうか。そのまま見て見ぬふりをしていれば、競争相手の会社が自社のシェアを奪う事に成り、まじめに仕事に取り組んでいる社員も、これにより路頭に迷う羽目にならないだろうか。頭で考えただけでも、こんな馬鹿げたことはないと思うのだが、これを日本の政治に置き換えてみると、ただのバカ話では済まないように感じてしまう。
というのも今の日本の在り方は、それほど混乱しているように見えてならないからだ。たとえば政治家は我々国民生活の規範となる法律を決めることが可能である。また政権に入れば行政を束ねる最も重要な仕事につくことも可能だ。つまり民主主義国において政治家は、国費によって雇われた社員に例えることもできるだろう。しかも彼らは国民の稼ぎの半分に当たる100兆円にも上るお金の割り振りを行っている。だとすれば、ここに私情を持ち出されたらどのようなことになるだろう。結局1億2千万人の生活を護るのは彼ら717名の良識にすべて委ねられているのだ。そのような責任を負う議員の行動は、国民の利益に反することがあってはならないはずだ。もし国民の利益に反する行為があったとすれば、それば国民に対する背任であり、一般社会における会社役員以上の責任が問われるのは当然のことになる。
ところがここで、現在の外務大臣絡に絡むとんでもない事件がアメリカで起こっていた。日本ではあまり報道されていないが、現在の外務大臣がアメリカの贈収賄事件の収賄者リストに載っていたというのだ。これほど重大な事件が起こっているにも拘らず、日本のメディアからは、いまだにこれに関しての報道がない。そればかりでなく中国から帰国したばかりの外務大臣の宿舎に見知らぬ異性が侵入していたという。男性陣ならここで口角が上がってしまうのだが、問題はこのことに対しても、大臣はこの人物を特定したり議員宿舎の警備について対策を講じた形跡がないのである。もしこれが他国のスパイであった場合は、国防上極めて重大なインシデントになり得るのだが、このような情報が巷で配信されているにも拘らず、国会やマスコミが騒がないのはやはり正常な国家の状態にあるとは言えないだろう。
それにも増して不思議に思うのは日頃、憲法違反だと言って言論の自由を持ち出す野党の政治家やマスコミが、この大臣の口約束により起こっているかもしれないSNS等の干渉には一切触れないことだ。確かこれまでスパイ防止法などの議論がある度に、テレビで大騒ぎをしていたはずの議員達が、この事態になんら関心を示さないのは、一体どのような了見なのだろうか。私にはまるでどこかの国に忖度して素知らぬ顔をしているようにしか見えないのである。私が訴えたいのは、国会議員に託されているのは理念の言葉尻を護ることではなく、国民の命を守ることで、日本国民の利益を考えず他国を利するのは日本国民に対する背任にも等しいと思っている。