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令和 あくび指南

2024年5月6日gallery,ようこそ

2024年 1月16日 アイドル

アイドルの語源は偶像崇拝に繋がるのだそうだ、つまり熱狂の対象と合わせて虚構という意味も含まれているのだという。私がアイドルという言葉を耳にするようになったのは、花の中三トリオと言われた山口百恵さんのデビューからだ。今思うと当時のメディアの力は絶大だった、彼女たちは13歳という若さでスターのチャンスを射止めると、いきなり全国の人気者になった。

そこから数えきれないほどのスターが生まれ、消費期限が切れたように目まぐるしく表舞台から去っていった。まさにアイドルとは時代に咲いた虚構の花のように私は感じていた。ところで偶然、私は年初めに放送された中森明菜さんの番組を視ることが出来た。その時、思い出したのは、私が勤めに出たばかりの頃、突然職場の休憩室に彼女のポスターが張られていた出来事だ。ポスターのアイドルはまだ幼さの残る面立ちの女の子で、そのポスターを張った犯人は職場の先輩だった。この後、この先輩についた影のあだ名はロリコンだった。

そんなことを思い出しながらテレビを観ていて思ったのは彼女の歌唱力のすばらしさだ、それまでの若さだけが取り柄の一アイドルという私の認識が誤りだったことに気付かされたのだ。要するに彼女の歌は時間のふるいに掛けられても、いまだに新鮮さを失わない本当の才能だったということなのだ。因みに番組によると彼女の才能は歌だけに留まらず、衣装や歌にまつわる様々なことに見識を持っていたという紹介があった。確かにデザイアーという曲が発表された時の衣装に、私は度肝を抜かれた覚えがある、しかもあれが自前のものだと知って今更驚いているのだ。

つまり彼女はもともとのアイドルというよりは、自己表現を追求するアーティストだったということではないのだろうか。因みに昨年暮れからYouTubeの活動をはじめてすでに40万人以上の登録者がいることからも、潜在的に彼女の表現に触れたいという人々が、今でも多く存在しているということなのだろう。これから彼女の活躍はますます続いていくことになると思うが、とはいえ誰でも簡単に発信ができるこの世界はその分の危険性も同時に孕んでいる。特に最近は何らかの疑いが掛けられただけで、直接個人が匿名のまま当人や社会に対し非難を表明することが出来るようになった。確かに巨悪を眠らせないという利点はあるものの、このことで起こるかもしれない冤罪にはガードがまるでない。つまりすべては発信者の良識しだいなのだ。これではみんなが楽しめるせっかくの才能も簡単に破壊されてしまう。そこでそのような発信をされる方には充分な節度をお願いしたい。というのもこのような容赦のない風潮をまともに受け入れていれば世界史に残る偉人は、すべて消えてしまうことになる。ましてこんなことを繰り返た後に残るものとは何か、結局それで人類が手にするものは世の中の正義というよりは、密告だらけの監視社会なのではないのだろうか。人を思いやることが出来ない正義は虚しい。

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Posted by makotoazuma