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新日本を護るために

2024年11月21日gallery,ようこそ日本を護るために

2024年 9月9日 日本の度量

あいつは小さい奴だなどと、日本人が侮蔑を込めて言うときは、ほとんどの場合は容姿ではなく度量と言われる心の広さを指す。これがどれほどの広さかといえば、命を掛けた戦いにおいてその敵将に対する処遇にまで及んでいた。例えば日露戦争における乃木希典大将をたたえる歌にロシアの軍の司令官スッテセルが登場したり、陸自の行進曲抜刀隊でも明らかに敵軍の将である西郷隆盛にたいして敬意を示す歌詞が登場してくるくらい、一度は敵対関係にあったとしても、その能力に対しては敬意を失わないのがかつての日本人だった。

もっと驚くのは函館戦争で敵軍の将となった榎本武揚はその後明治政府に取り立てられ、後に巧みな外交手腕により千島列島を日本の領土とする功績を残した。とはいえ日本の歴史でこのようなことはそれほど特異なことではない、何なら将棋のようなゲームの世界においても敵に倒された駒は、いずれ敵軍の戦力となって、こちらに向かってくる。世界の常識ではありえないことだが、日本人はこれを当たり前のように認識している。このような日本人にたいし、海外目線によると日本人は原爆まで落とされて悔しくないのかといえば、悔しくないはずはないが、それよりも自分たちの未来に目を向けるべきだと考えているのだ。

とはいえ流石に日本人と言えども歴史に残るような人材は稀なのである、だからこそ人を使い捨てにするような考えを、これまで日本人はしてこなかった。話は現代の日本に戻るが、今巷では政党のトップを決める総裁選真っ盛りだ。特に自民党がこのままの議席を維持できたとすれば、自民党総裁がそのまま内閣総理大臣になる。つまりこの選挙はここで終わりではない。次に行われるであろう選挙では、この結果が国民の厳しい目にさらされることになるからだ。そう思えばこの選挙は自民党として生き残りをかけた選挙だということになる。

さて現在自民党に注がれる国民の視線は非常に厳しいものがある。それは今の内閣支持率にはっきり現れているのだ。つまり総裁選の候補者はこの原因分析が出来ていなければ、自民党内閣誕生の道は厳しいものとなる、この選挙はそれほど重大な結果に繋がっているのだ。

残念ながら私個人の印象では、これまでの候補から、これに対する危機感は伝わってこない。というのも今朝ほどのニュースでは、ある候補者が自衛隊基地をアメリカ本土に作ってはどうかと述べていたそうだ。流石に地位協定を話題に出来る元防衛大臣のお言葉だが、はたしてこの発言は的を射た発言なのだろうか、というのも私はいまだにこの言葉をどのように受け止めたらよいのか分からないでいるのだ。つまりこれはかつて占領状態にあった国が、占領国にたいし治外法権が認められる軍事基地を設置しようということなのか、それとは真逆の自衛隊を人質として、相手国に常駐させろということなのか、理解に苦しむのだ。

こんなことでは現在国防を憂いている保守層は納得できないはずだ、それどころか世界情勢がこれほど緊張状態にある時に、これほど雲をつかむような発言は次期総理として無いだろう。ついでに言わせてもらえば、昨日触れた候補が原潜を保有するべきだという発言も、通常動力の3倍は経費の掛かる原潜を必要とする意図は何なのか疑問に思う。確かに遠洋での作戦行動や戦略核の運用には必要な装備かも知れないが、運用において日本近海での活動に限定すれば冷却音の激しい原潜はかえって秘匿性に劣ってしまう可能性がある。映画のシーバットが有能に見えるのは、アメリカをだまして手に入れた核兵器を搭載しているという仮想条件が付く筈だ、問題は、こんなことを軽々しく公言してしまうところが、総裁候補としてすでにレッドラインを超えている。潜水艦の必要性を説くのであれば、その前に日本の領海内に設置された他国のブイや、日本の沿岸に設置しようとする他国性の海洋発電風車の安全性を議論すべきではないのだろうか、もしそのような設備に音響を感知できる機能が埋め込まれていれば、世界一の静粛性を誇る我が国の潜水艦もその機能を十分果たせなくなるからだ。

このように考えれば、たとえ民生品と言えども我が国の国防に大きな影響を与えることになる。この点でも先にふれた経済安保という考えは大変重要だ。

さて話が大きくそれてしまったが、現在、自民党がなぜこれほど国民の支持率を失ってしまったのかを考えれば、現政権の国益を無視した様々な政策が浮かんでくる、なかでもLGBTQの法案はいまだに誰が望んだ法律なのか理解できない。それにも拘らず司法や教育現場が大変な混乱を起こしているのだ。今回の総裁選挙はこのような政策に対する信頼回復が大きなテーマになるのではないだろうか。とはいえ内閣にいたものがどの面下げてということにもなりかねないが、ここは民心を信頼して、同法の廃案か、同法の運用については公共の福祉を最優先することを追記し、国がこのように曖昧な認識の働きかけをすることはやめるべきである。確かに自分の信念を貫徹させるためにはそれを実現できる環境が必要だ。しかも、これを維持するためには綺麗いごとだけでは済まない世界の話しになるだろう、時には目の前のことに目を瞑り、意にそわない発言も必要だったかもしれない。古来からの日本人はそのような事情を腹に据えて血みどろの戦を戦った。そして勝負がついた暁には、過去の遺恨は残さず、個々の能力を結集して共に未来に向うことが出来たのである。とはいえ結集できる能力、そこだけは見極めが難しい。