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新日本を護るために

2024年12月9日gallery,ようこそ日本を護るために

2024年 11月14年 増税で経済を立て直す!?

いきなりふざけるなと叱られそうだ。とはいえ私はこのことを大まじめに考えている。現在国民民主党の公約である消費税減税、所得控除103万円の緩和など減税を掲げる政党が今回の衆院選で大きな躍進を遂げた。しかしながらその公約の実現が問われる首班指名選挙当日、党首のスキャンダルがマスコミにリークされてしまった。

「減税などと口にしたらこうなる」とでも言いたげな、みごとなタイミングだった。いまさらそんなことを言ったら1万円札になったこのお方は、世には出てこれなかっただろうと思うのだが、お札に嫌われないようにこれ以上は触れないことにする。とはいえ消費税を5%に減らしたところで経済がすぐに立ち直るのかといえば、私は首をかしげざるをえない。というのも消費税を減らしただけでは賃金上昇の根拠にはなり得ないと思うからだ。確かに5%の消費税減税は物価を押し下げ購買意欲を促進させる効果は見込めるとは思うのだが、同時にデフレを招く可能性も出てくるのではないだろうか。

私はこれまで、この問題に対しては、消費税という税制は廃止して法人税の累進税率を見直して欲しいと訴えている。とはいえそもそも消費税がどのようなものか理解する必要があるのだが、この点については三橋TVなど分かり易い動画があるので参考にしてほしい。要するに消費税も法人税も納めているのは企業であり、個人が直接税務署に収めている税金ではないのだ。このため一定の売り上げ以上の企業は税金を納めるために2系統の事務負担を強いられている。細かいことを言う人はこの作業に掛かる事務費も税負担ではないのかと思うのも無理はない、実際昨年の暮れに始まったインボイス制度は、あまりにも事務負担が過酷だったために事務員の離職や健康被害を出したほどだという。このような無茶を企業に強いる税制には、やはり問題があるのではないだろうか。

では、このような消費税を廃止するとすれば新たな財源は必要だろうか、私はそんな必要は、まったくないと思っている、というのも2系統で納めていた税金を、法人税1系統に戻すだけのことなのだ。これにより企業は生産性のない事務負担が減り有難いことこの上ない。では具体的に、どのようなことが起こり得るか想像してみたい。その前に法人税の中身は何かといえば、乱暴な言い方をすれば消費税に役員報酬や賃金などの人件費控除を加えたものといえる。そうなると昔の企業は税金に取られるくらいなら賃金で払った方が会社の利益になるとなり、その年の経常利益が増えればその分の多くが賃金に回されていった。ここで昔はと言ったのは、現代の社会背景には当時とは若干の違いがある。

その主な要因はバーゼル条約による自己資本比率の確保と海外資本による配当性向への期待だろう。自己資本比率はリーマンショックのような連鎖倒産への備えという面もあり、一概にこれを否定することは出来ないが、社内留保という市場に出回らない資金が増えて、市場経済の足枷になっている。そしてもう一つの要因になる株式配当等については年々その額は増加し続けている。ひと頃の日本株は、この配当性向が低いのは当たり前のように受け取られていた。つまりその場の利益より、共に企業経営に携わるという意識が強かったのでは無いだろうか。因みにこのような配当(利益剰余金)にまわるこれまでのお金の推移は、財務省の年次別法人企業統計調査(令和5年度)によると令和元年から令和5年までの間では日本国全体で約150兆円増えたことになる。もしこのお金が日本国内で循環していたとしたらどうだろうか、少なくとも日本国籍の子供たちが、1日の食事を学校給食で我慢しなければならないという異常な社会にはなっていなかったのではないだろうか。

そこで、このような日本社会に貢献できないお金を増やさない為に、一定の純利益を計上する企業に対し、例えば10%程度の純利益課税を行ってはどうだろうか。それが嫌なら、どんどん賃金に回してくれという事なのである。当然これに対し万が一の資金繰りを心配する企業の存在するはずで、この場合は緊急事態時の国債発行で資金繰りが滞らないよう法制化するという事も考えられる。

このように一時しのぎのお金のバラマキではなく、正常なお金の循環が日本に生まれれば、給与から天引きになる社会保障費等の徴収も当然容易になり、収入も安定してくるはずだ。つまりわざわざ保険料の値上げなどしなくても給料が上がれば当然保険料収入も増えるのである。現在巷では財務省の解体など過激な言葉が飛び交っているが、そもそも省庁トップの人事権を持つのは内閣なのではなかっただろうか、省庁が民意に反するのであれば、内閣がこれを是正できないのでは民主主義国家の名が廃るというものだ。聞くところによるとアメリカ大統領選の選挙結果は着実に選挙戦での公約を果たす方向に向かっているそうだ。日本の選挙で得たものが無理な増税と夫婦別性の法制化ではあまりにも悲しすぎる。