新日本を護るために
2025年 12月3日 奇妙な一致
世の中には不思議なことが重なる、それが意図されたものか偶然なのかは分からない。というのも朝日新聞デジタルの記事によると9月に誕生したばかりのフランス、バルニエ内閣が総辞職の危機に至ったという。大まかな流れは財政健全化の為、緊縮財政を推進するバルニエ内閣は社会保障費の見直しによる予算案を提出するが、与野党逆転する議会では予算成立は不可能に近い、そうは言っても議会を経ずに特例措置を使い予算成立を強行すれば、野党から内閣不信任案を提出されるのは、必死で議会解散やむなしの状況にあるという。しかしながら、これに対しブルームバーグの記事では、首相は予算案において薬代の還付金を削減しないことを確約し、予算の議会通過を成立させる見込みだという報道があった。
ところで、奇しくも隣の国ドイツでも、議会選挙により与党はかろうじて連立で維持されているのだが、同じように議会はねじれた状態にあった。そして先月、このねじれ状態により予算が成立せず政権は崩壊して年明けそうそう野党の不信任案提出により、解散総選挙は避けられない見通しだ。このような動きに私はフランスとドイツはまるで双子でもあるかのような奇妙な一致を感じるのである。驚くことに日本の国会も、今まさにこのようなねじれの状況にある。これは果たして偶然の一致なのだろうか、私にはまるでこのような偶然は、G7に生まれた三つ子のように思えてならないのである。しかもこればかりでなくもっとそっくりなのが、ウクライナ戦争を強力に支援し戦争継続に積極的に貢献しているところだ。つまり戦争をただちに止めましょう、ということではなく、結果的には長距離ミサイルの提供などで、自国民を核戦争の脅威にさらしているところもそっくりなのである。
これに関連して私が今でも不思議に思うのは、今回の衆院選前は、自民党の議席は258であった。ということは、もともと自民党は安倍晋三氏の貢献により単独過半数以上の議席を得ていた政党なのである。もしあのままの議席数が現在まで維持できていれば、予算から法案まで単独で難なく通過できていたはずなのだ。ところが実際は、最低の支持率も顧みないばかりか、あろうことか大勝利に貢献した派閥を窮地に追いやるという対応を取っていた。これに対し国民は、先の選挙において明確な連立与党の過半数割れという評価を下している。
ではこの結果は全く予想外の結果なのかといえば、素人でも充分予測のつく結果なのである。もしこの結果が予想できなかったとすれば、そもそもの政治家としての資質が問われるレベルと言っていいだろう。その資質がない政治家に国政を任せることは極めて大きなリスクになるのである。そのような人達が権力をもって政治を行えば、結局、民意を反映させるどころか国民を疲弊し世界を破滅に陥れかねない。