新日本を護るために
2024年 12月21日 風評被害
先ほどまた見たくもない記事のタイトルが目に入り、がっかりというよりは、ここで立ち上がらなければと思い投稿を思い立った。それにしてもAIとは熱心なもので私の関心がどこに向いているか、恐ろしい精度で把握しているようだ。
さてそんなAIの撒き餌に、私はすっかり釣られてしまったようだ。今回もまた利上げを見送った日銀への当てこすりのような記事を発見し激怒している。この記事のタイトルは「動かぬ植田日銀 追加利上げ見送りで再び円安「1ドル=160円」到来確実…1月も動けぬ恐れ」という日刊ゲンダイデジタルの記事だ。普通の日本人が、このタイトルにある恐れという言葉を目にすれば何やら恐ろしいことがこれから起こりそうだと思うに違いない。
しかも筆者はこの記事を書いて報酬を得ているだろうから、世の中の不条理はやるせない。このような記事を目にして一番考えなければならないのが、このような記事が導く先はどのような世界なのかと言う事を読者はまず心に留めるべきだろう。というのもこのようなことを吹聴する経済評論家は、そのために起こる結果については何ら責任を持たないからだ。悪い言い方をすれば日本経済をどん底に陥れ国民が職を失い、家を失ったとしても全く気にしないというに等しい。そもそも利上げが社会にもたらす効果は、経済を停滞させるという目的以外ないからだ。
そこで改めて今現在、日本経済はどのような状況にあるのか見てみれば、今年初めに起こった震災の復興は未だに覚束ない状況にあり、被災者は何重もの借金を抱えたままなのである。そればかりかパンデミックによる融資の返済も先般始まった矢先だ。そこへきてエネルギー価格の高騰が覆い被さるのだが、そればかりか原油の供給国は増産を発表していてエネルギー価格はむしろ下がる見通しにある。
ましてや、来年トランプ大統領の政権になれば、為替が円高に振れることは誰の目にも明らかで、流石にこの評論家もこれを否定することは出来なかったと思える。「そういう意味でも、12月は利上げのチャンスでした。」というこのチャンスとは誰にとってのチャンスなのだろうか。これほど素人が見ただけで利上げは日本経済に与えるダメージが大きいと思えるにも拘らず、利上げを推奨するこの記事は誰に差し出す提灯なのか、これでは日本国民の暮らしなど、どうでも良いのかとまで疑わしく感じる。今現在日本がこれからのアメリカと経済政策の歩調を合わせて行くためには、何よりも先に国民の末端にまでお金を行き渡らせる政策が必要だ。そのためには企業に滞留する社内留保を極力市場に還流させる事が必要で、これを可能にするためには消費税の廃止と法人税の累進課税率の見直しが必要になるだろう、その代わり、所得税に関しては逆に減税でも良いのではと思うくらいだ。このように個人の収入が増えれば社会保障費の財源は勝手に安定してくる筈なのである。
とにもかくにも今早急に日本が着手しなければならないのは、個人の可処分所得を増やし個人の購買意欲を活性化させることだ。これにより景気の過熱が起これば、ようやく日銀の判断が必要とされる事態になるのではないだろうか。
毎度のことだが、日銀のコメントが出る度、まるで風評とも思いたくなるような記事がマスメディアから流される。もしこの記事が示唆する通り円安が悪なら、プラザ合意以降の日本経済の失速をこの評論家はどのように説明するのだろうか。