日々これ切実
2025年 5月15日 大切なもの
昨日ホセ・ムヒカ氏の訃報が流れた。ホセ・ムヒカ氏といえばウルグアイの元大統領で世界一貧しい大統領として知られる。ウェキペディアの情報によると氏はかつて極左の過激派として活動していた方だ。普段何かにつけて左派の活動に非難がましい発信をしている私だが、ムヒカ氏の言葉は、不思議と心に沁みてくる。それは何故かと思い改めて氏の言葉を眺めていると、やはりそこには唯物論との本質的な違いが分かる。例えばjiji.comの配信によるとムヒカ氏は生前「富を求めるあまり、絶望に駆られて生きてほしくない。人間の幸せは物質的なところに存在しない」という発言をされていたそうだ。つまり人の幸せは物質だけに見出すことは出来ないというのだ。
これにより氏は唯物論を基調としたマルクス主義とはまったく相容れない思想を持っていたことが分かる。氏の思いを私なりの解釈をすれば幸せは心の表現であり、物質の量でこれを推し量ることは出来ないと言う事ではないだろうか。確かにパンをちぎれば、そこには限界があり、これを覆すことは出来ない。ところがそれに比べて人の心はどうだろうか、幸せは人の数だけ分かち合うことが出来ないだろうか。そしてその思いは、そこだけにとどまらず、そこから溢れ出す。不思議なことに、ウルグアイから何千キロも離れた日本にも、神代から伝えられる天壌無窮という言葉がある。その意味は天の恵みは滞ることはないという意味だ。
「ツツジ咲く 日向の国より 偲ばるる ムヒカの心 大和にもあり」