続 盾つく虫も好き好き
2026年 5月5日 専守防衛を考える

日テレニュースによると昨日オーストリアを訪れた高市首相は、記者団に対し殺傷能力のある防衛装備品移転は紛争発生の未然防止に貢献するという見解を述べられた。併せて日本は専守防衛の理念から戦略爆撃機や空母の保有を否定した。さて今回首相の発言にあった専守防衛という考えについて現在も様々な意見がある。特に防衛大綱が見直され反撃能力という長距離ミサイル配備が決まった岸田政権時に専守防衛については大きな議論があった。しかもこのミサイルをどのタイミングで使うのかという問題は、いまだに伝わってこないので、専守防衛という理念さえ揺がしかねない。
因みに私は、太平洋戦争の敗因は、軍が専守防衛を棄てたことにあるとまで考えている。つまり、本来守るべきシーレーンを無視して太平洋に乗り出し、かえって石油の供給が困難になってしまった。これにより海上輸送が困難となった大陸では大陸打通作戦などの必要性が出て来きたためさらに困難な作戦が続いた。
ところで、先手必勝で計画された作戦が航空機を使った、真珠湾攻撃、空母機動部隊を矢面に立たせることになったミッドウェー海戦に繋がる。つまり防衛力整備計画に新たに加えられたスタンドオフ戦略の戦略思想は、嘗ての日本軍が執ったアウトレンジ戦法の考え方とよく似ているように感じてしまうのだ。
ところで現代の日本には、このようなミサイル戦略に頼らなくても、すでにこれを無力化できる軍事技術があるという。なんだかSFのようだが、それがメガ粒子砲というものらしい。これが実用化すれば日本は専守防衛を堅持したまま大量破壊兵器の脅威を無力化することが可能なのだそうだ。これに今話題のレールガンを加えれば、戦争の在り方が根底から覆るに違いない。
さて専守防衛と云えども軍事力の行使に違いないので、法治国家を堅持するためには現実に即した法改正が必要なことは議論するまでもない。ところが軍事を法的に認めることは、徴兵制の導入の導入とイコールにされてしまうので、すべての若者が戦場に送られるという脅しが使われる。しかしながらこのことも、私は現実的ではないと考えている。というのもまともな訓練もままならない状態で、若者が前線に送られても、かえって戦場は混乱をきたす。つまり補充の目途もつかない軍は、その時点で敗北を認めるべきだと考える。それほど現代の戦い方は、専門性を要し兵員の数で戦況を判断することは困難に思える。そのような状況から考えても、戦況の悪化により徴兵が行われるという話は風評に近い、寧ろそのような認識が残っていたとすれば改められるべきだと思う。
というのも、現実の戦いを見れば戦場には、AIや電子技術の活用が必須で、ロボットや無人の兵器が戦場に送られる時代になっているからだ。つまり、勝敗のカギを握っているのはこのような無人兵器の供給能力であり、それを活用できる戦術にある。要するに兵士の仕事はそれらをコントロールする極めて専門的な能力なる。このようにかつての常識では現代の軍事を定義することすらままならない状況にある。このような時代にあっては法律の見直しは有って当然のことだろう。