今日は好日Vol.2
2023年 1月31日 ロックが好きだ
昨日、日本のロッカー鮎川誠さんの訃報を目にした。なんと彼は74歳までシーナアンドロケッツの現役ロッカーだった。彼らのバンド活動は私の青春と重なる、彼らの歌は私の埃をかぶった記憶の蓋をいつでも開けてくれる。そこには当時の私が時間と一緒にそのままの形で眠っていた。当時からロックはカルチャーという言葉にはあまり馴染まなかった。 とくにポップカルチャーに属することすら抵抗があって、どちらかといえば当時も敷居の高い尖ったお兄さんたちのお気に入りだったのだ。日本人からすれば、そんなロックはヤンキー文化そのものに映った、そのアメリカンカルチャーのひたすら底辺を突っ走っていたのがロックンロールで、それは見事なほど世間での出世とはかけ離れた世界だった。それは粗野で、単純軽薄、時には暴力的で、しかも世間に同調することを知らないハリネズミのような繊細さがあった。そのうえロックは論理を好まない、彼らの表現はあきれるほど単純で繰り返される言葉は愛を叫んでは、権威を愚弄することだった。 とはいえ、単純だからこその輝きと純粋さを持っている。それは、彼らの生きざまそのもののようだ。しかも彼らの尖ったビジュアルは素直にカッコイイ、カッコよさが彼らの唯一のアイデンティティではないだろうか、その昔頭の禿げたジェームスボンドは様にはならないといわれていたが、現役の74歳がステージから伝えるカッコよさは見栄えだけの世界ではなかったようだ。そんな彼の情熱は死んだくらいでは収まるものではない、いまだにシャウトし続けているに違いないのだ。センキュー