今日は好日Vol.2
2023年 4月2日 未来への付け
これからの世代に付を回してはならないという総理大臣の言葉だが、私も全くそう思う。ところで付とは何かといえば、国債残高だけの問題ではない、むしろ問題解決の先送りが次世代への大きな付といえるのではないだろうか。
しかも現在緊急の対応をしなければ次の世代どころではなく、日本全体がまともに年を越せるかどうかという、緊急事態の問題なのである。私がその筆頭に考えるのがエネルギー問題である、これに対し政府は明確な対応ができているのだろうか、台湾有事とささやかれる中エネルギー輸送の安全は確保できているのだろうか、はたして政府の対応のままでロシアからのエネルギー供給は望むことが出来るのだろうか、そもそも金融不安の続く現在、ドルによる信用力は、これまでのようにドル1強の原油支配体制は崩れだしているのではないだろうか、先ごろすでに中東の産油国では元通貨での決済が認められたと聞いている。
しかも、この状態に金融不安が追い打ちをかけているのだから、そもそものドルに対する信用力が保てないのではないかという懸念がある。そうであるならば、これに対抗するためには自国でのエネルギー開発をしていかなければならないはずなのだが、このための政策について政府のビジョンは示されていただろうか。私はこれまでも、原発の再稼働について述べてきた、しかしながらそのことを電力会社にリスクを負わせたままの再稼働では電力会社にとって荷が重すぎるのではないだろうか、東北の震災から早12年がたった。あれ以来原発は稼働停止のまま、炉心はプールで冷やされている。
つまり、稼働時における事故にはならないが、原発の基本的な危険性は変わらない、いずれ原発の耐用年数が切れてしまえば、何の稼ぎもないまま廃炉のコストだけが、電気料金に上乗せされてくるという悪夢が繰り返される。もし何もせずにこのまま電気料金が4割近く上がれば日本の経済はどうなってしまうのか、せっかく労働人口が確保されても日本における製造業は国内生産をあきらめ、日本の製造業は完全に終焉を迎えてしまうのではないだろうか。
このことから日本を支える製造業が立ち行かなくなれば、円安は加速しエネルギー価格はそのあおりで高騰する。その結果、農業をはじめとする1次産業も消滅することになる。このことによる結果はあまりにも悲惨なものだ、エネルギーどころか食料すら手に入らないのである。このような悲惨な状況に至らないためには、まずはロシアからのエネルギー供給に頼るしかない。さらに現在停止中の原発は政府が買い上げて安全対策を講じた後に発電を速やかに開始することだ。
そのことで電力会社は政府が買い上げた資金により当面の電気料金の高騰を抑制することが出来る。また、政府の買い上げた原発による電力を医療や企業に供給することにすれば、製造業は低い電気料金によって再び日本への工場誘致を考えるに違いない。
とはいえ、これまでのエネルギーに依存していては安全面や、将来枯渇してしまう心配があることや、それに伴う地政学的リスクも抱えたままなのである。この解決のために現在最も注目されているのが水素エネルギーだといえる。幸いこの技術に関して日本の各自動車会社で開発が進んでいると聞く、特に自動車に流通のほとんどを依存する日本では真っ先に導入しなければならない技術ではないだろうか、このことが社会に及ぼす影響はかなり大きい、このことは日本のエネルギーばかりではなく、その恩恵は世界各国で享受されることになるだろう。
現在海外の自然エネルギー発電が、日本で導入されているが、残念ながらそれらのエネルギーに頼り切るにはかなり大きな問題がある。
例えば景観が損なわれたり廃棄物や、土壌や地盤への問題もあるからだ。せっかく日本の企業が保有する技術なのだ、このようなことに税金を使って不快に思う国民は居るだろうか。