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今日は好日Vol.2

2024年1月5日gallery,ようこそ,自作俳句絵画 無意識

2023年 4月4日 歴史は繰り返されるのか

歴史は二度と繰り返さないというのが私の持論だ。とはいえ戦争や金融不安は相変わらず繰り返されているしかしながら、その原因は微妙に変化している。そしてそこに関わることになる人もまた変化しているはずだ。

結局全く異なる事象であっても、概念の世界で見れば相変わらず同じくくりなのだ。とはいえ最近のできごとについて、行きつく先のことを考えると、ますます憂鬱になる。例えば近頃起こった金融不安など、一時はあのリーマンショックの再来かと思ったが不思議と現在株価は落ち着いているように見える、景気後退よりもむしろインフレが、世界中で進んでいるようだ。このため世界の中央銀行はさらなる利上げに踏み切ろうとしている。

とはいえリーマンショックが沈静化した時のことを思い返せば、あの時は世界中の銀行でストレスチェックが終わり、もうこれ以上の銀行破綻はないという見通しから世界中の経済は回復に向かった。では今回の金融不安はこれで収まったと判断できるのだろうか、これについて火元ともいえるアメリカでは国が早々救済を表明したことで事なきを得たように見える。また、スイスでも各国の政治的圧力によって買収が成立し金融破綻はこれで落ち着いたかに見える。

ところで、このような金融不安が起こった原因を探ってみると、その一つには資金の供給過剰が考えられるだろう、つまり資金需要よりも金融機関の預金残高が、だぶついていたということだ。このため、低金利で利ザヤを期待できない金融機関は、危険度の高い債券運用によって収益を得ていたが、逆にインフレの環境になると利上げによって債券運用による含み損が増してしまったのである。このようなことを背景に取り付け騒ぎが起って、銀行の含み損が確定してしまったということらしいのだ。このように金融不安のそもそもの原因を考えれば中央銀行の急激な利上げによるとしか言いようがない。そう考えれば、利上げを渋っていた日本以外の金融機関には、いまでもこのような不安が残っていたとしても不思議ではない。

では、急激な利上げの原因となった、この世界的インフレはなぜ起こったのか、そのことを理解するために、いつからこのインフレが進んだのか見てみると興味深い、それによると、この世界的インフレは2021年から急激に進んでいることがわかる。ちなみにこの時期の世界的出来事といえば、北京オリンピックと戦争の不安だ。とくにこの時期、天然ガスの価格が急激に上がりだす。おそらくこの時すでに、そうとう侵攻の可能性が高まり、緊張状態が続いていたのではないだろうか。このようにみるとインフレと天然ガスの高騰は密接な関係があることがわかる。つまり世界中のインフレが止まらない原因はエネルギーの価格高騰によるコストプッシュ型のインフレによるものなのではないだろうか、ところがこのような状況でありながら、恐ろしいことに世界の中央銀行はさらなる利上げを行おうとしている。

このことはどのような事態を招くだろうか、これは溺れて藻掻き苦しんでいる人に、暴れるなと言って睡眠薬を与えるようなものではないだろうか、製造業者はこれからもエネルギーコストの高騰と、資金調達コストの2重苦を味わうことになる。すでにアメリカでは中小の地方銀行が破綻しているが、アメリカはすべての金融機関に対して救済措置をとれるのだろうか疑問である。中小の銀行といえばその顧客のほとんどは、やはり地方の中小業者である。そこでの資金が滞り始めていて経済に影響がないというのは、私にはどうしても理解に苦しむところなのである。

さらに言えば、この状況はヨーロッパに飛び火しないと言い切れるのだろうか、エネルギー調達の見込みがつかないヨーロッパで資金調達もままならない環境では、戦争からの経済復興はさらに困難を極めるのではないだろうか。憧れのヨーロッパに平和が訪れることを祈っている。