今日は好日Vol.2
2023年 4月25日 散歩と俳句
穏やかな天気に朝から花見に出かけた。これは函館公園の第一号博物館横の桜だ。洋なのか、和なのかどちらも共存できるということを証明しているようだ。ところで前回紹介した長州康光の刀は函館博物館の収蔵品のようだ。あらためて博物館のポスターを覗くと収蔵品の展示とあった。ここの博物館にはさらっとあんな立派なものが展示してある。それから最近気になっていたのが志海苔遺跡から出土されたという巨大な素焼きの銭亀だ、昔から縄文土器とならべて展示されていると一見縄文の出土品と思ってしまうが、中にぎっしり入っているのは、さしで束ねられた銅銭だ。しかも銅銭は明時代の銅銭で、出土されたのは海辺の昆布やアワビがよく取れるところだ。
きっと室町時代に、アイヌが海産物を取引した報酬ではないだろうか、キャプションには日本一の出土量と書かれている。これはどういうことなのだろう志海苔遺跡には当時日本一の金持ちが住んでいたのだろうか、室町といえば金閣寺が造られるような煌びやかな時代に日本一の金持ちは縄文時代と変わらない生活をしていたということで、ようするにお金の価値がわからなかった人たちということなのではないだろうか、そう思うと今の日本も世界一の債権国と言いながらその価値を十分わかっているのか心配になる。
そんなことを思いながら、竜神池の前に来ると池を囲む石の陰に鯉の真っ赤な尾がひらひらなびいていた。黙って眺めていると、きれいに写真に納まる様に、どうぞと言わんばかりにその鯉は私の目のまえをゆっくりと横切ってくれた。鯉を見ていつも不思議に思うのが鯉のまわりは、いつもボンヤリ輝いていることだ。そう思うと何やら鯉は神聖な生き物のように感じてくる。だからこそ登竜門などという言葉が生まれてくるのだろうか。
そこで急に一句「花散りて 池にて添うも こいしぐれ」なんか演歌っぽい
勢いあまって、そのまま八幡様へお参りしていくことにした。境内に上るとこの社は重要文化財の申請をしているそうだ。前からずいぶん立派な神殿だと思っていたが、このつくりは日本で唯一聖帝の棟造りという建築なのだそうだ。といいながらすぐ横に祀られている、お稲荷さんにもお参りすることにした。そこで鳥居をくぐると急にあたりから梅の甘い香りが漂ってきて、それと同時に私の頭の中にはチューインガムの記憶で一杯になった。そして2句
「梅の香に 花をさがして 仰ぐ軒」
「梅薫る 穏やかなる日の 甘さかな」