G-BN130W2PGN

お問い合わせ先

mail@makotoazuma.com

 

2023年 日本を護るために

2024年9月6日gallery,ようこそ,今日のできごと

2024年 6月14日 キューバ危機どころではない!

1962年人類は核戦争によって滅びようとしていた。これはキューバに運び込まれようとするソビエトの核ミサイルをアメリカの軍用艦船がキューバを取り囲み、これを阻止するという事件が起こったからだ。これによりもしここを突破され、キューバに核ミサイルが持ち込まれれば核戦争という所まで双方の緊張が高まっていた。この事件が解決されたのは、事件の発端となるトルコに配備されたアメリカの核ミサイルを撤去することによって双方の和解が成立したことだ。ところが危機はこればかりではなかったらしい、どうやら水面下でも核戦争の危機は迫っていたのである。実はこの時、複数の戦略型原潜もこの作戦に参加していたらしく、その内の一隻がアメリカの海上軍事演習を回避するため潜航したまま本国との連絡が途絶えてしまった。しかもアメリカの軍事演習を実際の爆雷攻撃と認識し、本国との連絡が途絶えたのは、すでに本国が核攻撃を受け壊滅してしまったと判断してしまったようなのだ。原潜ではこうなった場合の命令はすでに決まっていて、それはあらかじめ定めていた攻撃目標に対し直ちに核攻撃を実施することだ。

ところが、この一連の行動を制したのがソビエト海軍のヴァシーリー・アルヒーポフ副艦長だった。この時の軍規違反により結局人類の滅亡は回避されたのだが、この話は以前映画で見たような気がする。

ところで現在の世界情勢はこれよりさらに危険な状態にある。要するにミサイルを基地に運び入れるまでもなく、最新鋭のミサイルが発射装置ごとキューバにあるという状態なのだ。とはいえ、ロシアの説明では、これらの艦には核兵器を搭載していないということになっている。さて、これを信じるかどうかは現在日本に寄港しているアメリカ空母は核を搭載していないと信じれるかどうかに等しい。報道によるとこの艦はカザン型という原潜で、大きさは中程度だが有翼型の巡航ミサイル垂直発射装置10基が装備されている。そればかりか機動力に優れ対潜能力も併せ持つという万能ぶりで、自衛隊も防衛大綱の中で、このような艦の保有を訴えている。

とはいえ巡航ミサイルの必要性を考えれば、攻撃を受けてから敵基地に対して行う反撃ではあまり合理的な使い方とは言えない。なぜなら基地や施設を破壊しても占領でもしない限りすぐに復旧されてしまうからだ。つまり通常の戦術においてこのような潜水艦の使用は考えづらい、いったいどのような場面を想定してこれを使用するのか疑問が残るのだ。ところがロシアが行っているように核戦略を前提とした装備として見れば、何とも頼もしい存在に見えてくる。というのもSLBMのように空高く飛び上がる弾道型のミサイルでは探知され易く破壊されやすい。それに比べ、レーダーを掻い潜り粛々と目標に到達できる巡航型のミサイルはより目標破壊能力が高いといえる。つまり反撃能力と言っても、どのような運用が最も効果的かと考えれば、核保有を前提とする抑止力というのが最も妥当な運用方法だろう。

さて、これほど緊迫した状況にもかかわらず西側主要国が集まるG7では、何事も起こっていないかの如くウクライナ支援継続を訴えている。とはいえ彼らの国民がほぼ反対の票を投じているにもかかわらずそこには目をくれようともしないのだ。この選挙ではほぼ極右のレッテルを張られた勢力が議席を伸ばしていた。それにもかかわらず、現在この選挙の動向が微妙に思われているのは、イタリアのメローニ首相の動向が今一つ掴めないからだ。もちろん2022年のイタリア選挙で移民反対を訴え当選したはずのメローニ氏なのだが、これまでの態度や言動から突然EU側に寝返るのではという懸念が持たれている。このような事態を心配するのは現状の日本を見れば、とても他人ごととは思えない状況にあるからだ。

さて、ヨーロッパ人が特別忌み嫌う言葉が極右という言葉だろう。これはナショナリズムがナチスを容認する言葉にすり替えられてしまったからだ、これによりドイツ人はもとよりフランス人もこの言葉を聞くとただならぬ反応を示してしまう。ところがそもそも三色旗を振ってナショナリズムを煽ったのはナポレオンボナパルトからではなかっただろうか。当時ナショナリズムはフランス人の誇りだったはずなのである。

因みに私が特にヒトラーを愚劣に思うのは、彼の最後の指令にある。それはネロ指令と言って、自分の将来を悲観したヒトラーがドイツの文明すべてを破壊せよと発した指令があったからだ。一応、理を入れれば、この作戦は反撃能力を温存して行う焦土作戦とは目的が全く違っている。要するに自分が滅びるのであれば周りもいっしょに滅びよという考えなのだ。これを聞けば彼の異常性が際立ってくるのだが、果たしてこれは、彼だけの異常な考えと言えるのだろうか、例えば核の抑止というのは、これを使えばすべての文明が滅びることを前提にした思想とは言えないだろうか。

つまり核使用を招くかもしれない挑発は、これをもいとわないという宣言に他ならない。それでは今現在一体何故これほど核戦争の危機が差し迫っているのだろうか、それはNATOの武器によるロシア領内への攻撃を認めるという宣言を核保有国の首脳がしだしたからだ。これは長距離砲やミサイルで都市攻撃をすることだけを意味しているのではなく(現在のウクライナに都市を包囲し占領する兵力はない)、NATOの核を使ってロシア領内(最も効率的なのは人口の集中する都市攻撃なのだが)への攻撃を容認するという意味ではないのか、このような言葉が最初に聞かれたのは西側からであってロシア側ではない。とにかく今ロシアはそのように受け取り、その答えがキューバへの戦略型原潜派遣なのではないだろうか。