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令和 あくび指南

2024年9月30日gallery,ようこそ

2024年 2月7日 寄席

 

大河ドラマの光る君に猿楽の場面がよく登場する、きっとドラマの展開に重要なモチーフなのだろうと思っていたが、この猿楽がいまも日本の芸能を支えている。というのも以前、奥の細道に登場するお田植祭りについて調べていると、このお田植祭りで行われた田楽が猿楽になり、その猿楽から狂言や能楽が派生していくそうなのだ。つまりこの芸能はもともと田植えで行われた神事と繋がっている。

そして猿楽は江戸時代までは狂言や能楽のことを示す言葉として使われていた。ところが、この田楽は猿楽のほかにも、さらに多くの日本の芸能文化に関わっている。私はその一端が現在の寄席に繋がっているのではないかという予想を立てている。というのもドラマの中でも猿楽は歌や踊りの他に滑稽な社会風刺までを含む大衆芸能として描かれているからだ。

そこで、猿楽から先に進むのではなく、一旦そこから離れて寄席というものから逆に芸能を辿ることにした。ちなみに寄席とは何かと言えば、TVで放送されている笑点といえば分かり易いかもしれない。とは言えトリの大喜利は寄席に行けば必ず観られるものではないらしい。なんでも大喜利が行われたのは、トリに真打がいないときに、とりあえず始めた演目なのだそうだ。要するに寄席は落語のほかに漫才や奇術、浪曲、大神楽なども含まれる演芸のデパートのようなものである。因みに先日亡くなられた紙切りの3代目林家正楽氏なども寄席の芸を彩るの色物として人気を集めていた。

ということで改めて、日本芸術文化振興会のホームページを覗いてみると寄席で扱われる芸能は、落語のほかに講談、浪曲、漫才、大神楽、奇術とある、ここには何時ごろからその芸が流行ったか、年表が記されているが、その年表で見ると、それぞれの芸の区切りは江戸時代にあるようだ。ここで特に私が驚いたのは奇術や漫才の歴史が意外と古く、しかも神事と密接につながっていることだ。例えば漫才の語源は万歳で年初を祝う寿ぎの芸が現在の漫才に繋がっているという、そういえば昔し正月のテレビ番組では、とにかくお笑い番組が多かったこともこのような流れにあるらしい。

ところで何故、芸能のデパート寄席が落語中心の構成なのだろうか。というのも寄席の演目を見れば、その構成は落語を中心に組み立てられていて、寄席の初めに登場するのは落語の前座、そして色物、前座卒業の2つ目、そして師匠と呼ばれる真打がトリを務める。そのことについて、ホームページにある解説文を見ると、落語の起こりは仏教の法話が始まりなのだと書いてある。つまり落語はもともとお寺さんが面白おかしく法話を語ったことから始まったらしい。その流れからすると落語家はその時代のインテリ集団として、庶民に受け入れられていたのかもしれない。なるほど落語は頭を使う芸には違いないが、噺家が自分の頭を打ち鳴らすのはどうかと思う、音がするたび話が飛んでしまわないか心配になるからだ。最後に一句

「たつかわに 蒲団を流す せおはやみ」

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Posted by makotoazuma