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令和 あくび指南

2025年1月8日gallery,ようこそ

2025年 1月8日 笑う門

笑門慈愛

読者の皆様改めまして、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

さて今年もお正月そうそう落語研究会を視ながら笑いの奥深さをしみじみ感じておりました。今年の研究会は3席と言っても本放送ではなくTBSチャンネルでの視聴なので、今年は桂吉坊「深山隠れ」三笑亭茶楽「子別れ」春風亭一之輔「抜け雀」という演目で、最初に登場した桂吉坊氏は研究会ではトリを務められたということで、風貌を見ればまだお若い方のように見えるので、初めての方は驚かれるかもしれない。私も氏の高座は昨年遊山船という演目が初めてで、その時の印象は立て板に水が流れるような語り口と、お囃子に合わせて語られる船遊びの情景描写が見事だった印象がある。さて今回の演目「深山隠れ」では、これらの印象は常に芸を磨き続けてこられた結果だと言う事がよく分かった。確かに米朝師匠の内弟子と言う事であればお囃子や日舞などきっちり稽古を積まれているのだと思うが、今回の放送を視れば、そればかりでなく噺の中に登場する芝居に基づく表現をみれば、歌舞伎の台詞回しや睨みなど役者張りの思いを込めて学ばれてきたのだと思われる。このような鍛錬が実を結び、今回次々展開する山あり谷ありの場面描写を、座布団の上だけで表現出来てしまうのだから、これこそイリュージョンの世界に違いない。

ところで今回この放送のトリとなったのは、東のスター春風亭一之輔氏の「抜け雀」だ。この演目については先の演目に比べれば、遥かにポピュラーな演目といっていいだろう、そのためすぐに様々な名人の高座がすぐに頭に浮かんでくるのだ。とはいえこれほど馴染みの演目で笑いが止まらなくなるのは、春風亭一之輔氏の話を丁寧に扱おうとする慈しみの心なのかもしれない。

落語というものをつくづく不思議に思うのは、年明け早々首たまがごろごろ転がる話を聞いても、どれほど愚かな人間の話になっても、落ちを聞けば、誰もが許せる気持ちになることだと思う。私は笑いを楽しむ心はどんな人でも分け隔てなく慈しむ慈愛心のように感じている。

「笑門慈愛」今年はこれで行こう。

そこで一句「初詣 済ませて向かう 寝正月」

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Posted by makotoazuma