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独立自尊 奥の細道

2024年2月2日gallery,ようこそ,絵本墨絵 俳句

木啄も庵は破らず夏木立

大田原市の黒羽町にある雲巌寺の住職仏頂禅師を尋ねた時の詩です。仏頂禅師といえば芭蕉にとって禅の師匠で芭蕉が深川に住まいを移した時に禅を教え、悟りの印可を授けたかたです。この旅で芭蕉の年令はすでに40代後半になり、この旅が最後の旅になることは覚悟の上の旅立ちだったと思います。そんな思いを秘めながら師匠の庵の前にたたずむと偉大に見えた師匠の住まいがとても簡素で侘しく映ったのかもしれません。啄木鳥の木立をつつく音が山一杯に響き渡り、それに比べ師匠の庵は頼りなく今にも崩れ落ちそうに見えたのかもしれませんが、そんな心細さも師匠の教えを思い起こすと以前のまま寂然不動の姿が蘇ってきたのかもしれません。世間の喧騒もこの庵の主にとっては心を揺さぶられることではなかっと、芭蕉は思ったのかもしれません。