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ヨッチャンはかせ

2022年10月11日gallery,ようこそ,絵本絵本

ヨッチャンはかせのしんぱい

今日はお昼近くに、田舎に住んでいるおじさんが遊びに来た。

おじさんは畑で野菜をつくっている。野菜がそだったら市場まで運んで

その帰り道、ヨッチャンのお家にも野菜を少しおいていってくれる。

ところで、今日はヨッチャンはかせにもおじさんからのお土産があった。

おじさんは、ヨッチャンの家に着くと、すぐに大声でヨッチャンをよんだ。

「よっちゃん、おみやげ」おじさんが手をさしだすと手には、干からびた虫のようなものがのっていた。

 

「ヨッチャン、セミの幼虫見たことあるかい、これは幼虫のぬけがらだよ」

おじさんの手には、小さな虫のぬけがらがのっていた。

ヨッチャンはセミのぬけがらを見るのは初めてだった。

ヨッチャンは嬉しくなった。

ぬけがらは頭のてっぺんから、きれいに割れていた。

おじさんは市場に野菜を下ろした時、トラックの荷台に

くっついていたセミのぬけがらを発見したそうだ。

おじさんはヨッチャンが喜んでいるのを見てうれしくなった。

「ヨッチャン、セミは何年生きれるか知ってるかい」ヨッチャンが首を振るとおじさんはうれしそうな声で話した。

「じつはね、セミは幼虫のまま5年以上も土の中で暮らしているんだよ。ひょっとしたら、このセミはヨッチャンより先輩かも知れないね。」

ヨッチャンはおじさんのおみやげに、うれしくなってセミのぬけがらをお母さんに見せたくなった。

でもお母さんの顔を見たら、お母さんは虫が大嫌いなのを思い出した。

お母さんは近くで虫を見つけるたびに、ヨッチャンをよんで追い払ってもらっていたのだ。

お母さんはヨッチャンが、かけよってきて急にだまり込んだので心配になり声をかけた。「どうしたのヨッチャン」

 

ヨッチャンは、セミのぬけがらをそっと手にかくして、お母さんのお顔を見た。

ところがヨッチャンはかせは、お母さんの頭のてっぺんを見て、もっと心配になった。

そしてヨッチャンはかせは、すっかりだまり込んでしまった。

「お母さんがぬけがらになったらどうしよう」

 

 

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Posted by makotoazuma