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令和 あくび指南

2024年12月10日gallery,ようこそ

2024年 2月17日 創作活動

先日さよならマエストロというドラマを視ていたら、ドラマに噺家の柳亭小痴楽氏が登場してきた。ヒロイン芦田愛菜氏の憧れという設定で、西田敏行氏の営むショーパブで一席披露する。その時の出囃子将門はJAZZで奏でられていた。確かにイケメンの噺家がこの設定で登場すればおしゃれなことこの上ない。最後に登場する噺家の手拭いには親の心小痴楽(こちらく)とサインが手書きしてあった。このドラマのサブタイトルは父と私のアッパッシオナートなので、ここに掛かるとても憎い演出だ。実際小痴楽氏も噺家の2代目でドラマとイメージが重なる。

ところがこのシーンを見ながら私のいつもの悪乗りが始ってしまった。もしヒロイン夏目響がこのまま落語にどんどんのめり込んでしまったらどうなるだろうか、たとえば、落語好きが高じて普段からイヤホンで古今亭志ん生なんかを聞き出すようになると、自分の名刺入れに贔屓の千社札なんかを入れて持ち歩くようになるのではないか。そのうち落語のうんちくなどもあちこちで語りだすに違いない。そんなことを思い浮かべている内、私はとうとう、このドラマのラストまで、はっきり目に浮かんできてしまったのだ。

そのラストとは、落語好きのヒロインはこのままどんどん落語にのめり込んで行く。さらに好きが高じると、だんだん噺家の好みも変わっていった。そのままいわゆる通の域まで達してしまうと、こんどは少々毒のある噺家を好むようになってしまったのである。ところがその噺家は小痴楽氏のようにくるくるフサフサのジャズに合うような髪型ではなかった。どちらかといえばさっぱりしていて手拭いでも頭に巻いたら似合いそうなのだ。じつはこの配役は落語好きの演出家によって巧妙に仕組まれた罠だった。

当然この風貌でJAZZは似合わない、このままの風貌では、やはり三味線太鼓が一番似合うだろう、とはいっても西田氏経営のショーパブという設定は変えられない。そこで三味線太鼓でステージの見栄えが寂しくなったところは賑やかさを演出するため、後ろでかっぽれを踊ってもらうことになった。ここまで雰囲気が変わると、そこに西田敏行氏がうなぎ屋の格好で登場してきても違和感がなくなってしまう。その結果ここに演出家の考えたラスト、落語の子別れの設定が可能になってくる。つまり西田氏のうなぎ屋で西島 秀俊、石田ゆり子、芦田愛菜が仲直りをするという設定になるのだ。ところが困ったことに、この話の落ちはお父さんの仕事は大工という設定なので、カスガイという言葉で締めることが出来るのだ。お父さんが指揮者ではこの落ちは使えない、かといって指揮者を大工とすればマエストロの設定自体が壊れてしまう。そこで、追い詰められた演出家はまた、脚本家の目を盗みこっそりセリフを変えてしまった。

西島「響、君のお父さんは、指揮棒を振る日本一の指揮者だ信じてくれ!」

芦田「いいえ私の本当のお父さんは、犬のカイ君だわ。だから犬も歩けば棒に当たるなのよ」

石田「響きそれは、誤解よ あなたのあなたのお父さんはね本当は、なんでもこれで良いのだっていう人なのよ」

お後がよろしいようで・・_(._.)_

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Posted by makotoazuma