令和 あくび指南
2024年 1月31日 あやしい
以前からTVに出るたびに怪しさを感じていた芸人がいる。それが松本人志氏だ何が怪しいのかといえば、髪をブロンドにして逆三角形の背中をしていれば、一見、彼はゲルマン人だと思ってしまうに違いない。ところがよく見ると彼の眉毛や口ひげ、しょぼい目は黒いことから多分、モンゴロイドで彼の話す言語は日本における関西地方の特徴を示している。このことから彼は外見をゲルマン人と偽りながらも、これまで公共の電波に姿をさらし続けていた日本人に違いない。それにもかかわらず世間は、一体なぜこの怪しさに気づかなかったのか謎なのである。
さらに言えば彼の異常に発達した増帽筋にはいよいよ抵抗を感じる。確か彼はお笑いを生業にしていたはずで、映画俳優などではない。つまり彼が、自分の筋肉を鍛え上げなければならない理由は、外から窺い知ることは出来ない。とはいえ私はその答えを自分の筋肉によって世界を圧倒した、アーノルド・シュワルツェネッガー氏に見出すことが出来た。そのヒントになったのは松本氏が窮屈そうに身につけているスーツに隠されていた。というのも以前から私には彼のスーツ姿がかなり窮屈そうに見えていたからだ。そのせいで肩に張り出す増帽筋は特に窮屈そうで、せっかくのスーツもパッツンパッツンの印象を視聴者に与えていた。私はここに彼が筋肉増強に励んだ理由が隠れていると踏んでいる。つまりアーノルド・シュワルツェネッガー氏が主演した超人ハルクに、自分を重ね合わせているのではないかという考察にいたったのだ。
そのため、恐らくではあるが、彼は家にある姿見の前で体にはまるで小さすぎるシャツを無理やり身につけ、まるで超人ハルクにでもなったように力んでいたはずだ。それが上手くいけば、手身近かにあるシャツはことごとく引き裂いてしまっているに違いない。いったいこれまでどれほどのシャツが犠牲になってしまったのかはわからないが、このまま彼に家にいる時間を与えてしまえば、この先どれほどのシャツが犠牲になってしまうのか想像がつかない。
またこのような流れから以前から体を鍛えていた長渕剛氏にも同じ心配を感じる。彼もまた同じように歌謡界に大きな足跡を残したアーティストではあるが、風評にさらされ芸能界を去ることがあれば、やはりシャツの犠牲は計り知れないことになるだろう。ところでこれほど衣料業界に危機をもたらす事態に及ぶことになったのは、噂という目には見えない力が影響を与えているのではないだろうか。というのも芸能関係者や政治家であっても、この見えない力を無視するわけにはいかない。これは、政治の世界では支持率、TVの世界では視聴率など、実体として目には見えないが、影で世界に影響を及ぼす力となっている。現代のようなネット世界では、ますますこれによる被害を被る著名人が増えている。
ごく最近このような目に見えない力の影響で気鋭の漫画家が命を絶ってしまった。なんでも自分の作品に込めた思いと、全くかけ離れた趣旨の脚本によって出来たドラマに抗議をしたところ、周りが個人攻撃をしていたように受け取ったらしい。こんなことはドラえもんがどこでもドアで窃盗をしているような放送があれば、作者が抗議するのは当たり前で、周りがどう騒ごうと正当なものだ。ところが現在は言論の自由の名の基、著名人はいつでも自分や家族を的にさらしながら、見えない相手の攻撃に備えなければならない。こんなことをしていては、世の中に自分の顔をさらしてまで芸能人になろうという人はいなくなるのではないだろうか。
これは大袈裟なように聞こえるかもしれないが、今現在メタバースのキャラが、人間以上に持て囃されている現状を見ると、これはすでに目の前にある現実と認識した方が良い。その結果起こるのは現実世界とは距離を置く個性がいよいよ増大していくことだ。もしメタバースのキャラが完全にAIで補完できるようになれば、社会は間違った行動を起こす人間そのものを必要としないに違いない。こんな社会でいったい誰が生き残れるというのだろうか。私にとって今の社会は小学校でちびったら一生アウトみたいな、そんな恐ろしい世界に向かっているようにしか思えない。
こんなことは特殊な芸能界の出来事のようにとらえられているかもしれないが、芸能界はすべてのメディアと強力に結びついている。つまりここから我々の価値観や道徳観は大きな影響を受けているのだ。だからこそ我々日本人の価値観や道徳観が失われることのないよう我々日本人はメディアの動向に注意していく必要がある。