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今日は好日Vol.2

2024年1月5日gallery,ようこそ,自作俳句絵画 無意識

2023年 2月8日 飛べなかった日の丸旅客機

昨日三菱スペースジェットの開発が中止になったという報道があった。お恥ずかしい話、私はとっくに開発は中止なったと思い込んでいたのだが、正式な決定ではなかったらしい。中止の理由は旅客機が形式証明という法的な承認を受けることが出来なかったということだそうだ。 もともと経産省の声掛けで始まった事業なので、国土交通省の承認が出なかったということではないだろうと思う。恐らく世界市場を見込んだ開発計画であったため海外での承認がとれなかったのではないだろうか。戦後日本は独自に航空機の開発を行うことはできなかった。航空機といえば戦前から名機と言われる機体を世に送り出していた日本が現在に至るまでこのような境遇になっている、敗戦国の軛はいつまでも外されることがないということなのだろうか。 そもそもようやく戦後レジュウムなどという言葉が巷で聞かれるようになり、この計画が始まった、ところが始まって早々あちらこちらの国から共同開発の申し出が出てきた。国産機と言っても海外市場を目論んでの計画だったため、しぶしぶ海外から部品調達をする形で共同開発を進めてきたが、案の定トラブルが多発してテスト飛行も延期が繰り返されていた、とうとうせっかく受けた発注の納期がせまり、急いで形式証明の申請をしたが承認が下りることはついに無かった。未練がましい言い方になるが、その一方で自衛隊が現在運用するP1対潜哨戒機の開発も2000年から始まり2003年から始まったスペースジェットとはほぼ同時スタートと言ってもいい。 JMSDF P-1 (4).jpg   ウェキペディアより       ところがこのほぼ国産のP1対潜哨戒機が厚木基地に配備されたのは、なんと今から10年前の2013年のことである。写真にあるように外見はほとんど旅客機と変わらない、むしろこちらの方が図体は少し大きいくらいだ。しかもこの機体に要求されるスペックは旅客機よりも遥かに厳しいのだ、なにしろ海底500メートル以上の深海に潜む潜水艦を探知するために作られた機体だからだ。当然要求される静粛性や安定性などはジェット推進の機体には厳しすぎる性能を求められているはずなのだが、さらにそれ以外にも対艦、対地用の兵装を併せ持ち、しかもそのどれもが世界の水準をはるかに超えた性能を持っていて、まるで化け物のような対潜哨戒機なのである。 それに引き換え80席ほどの座席シートをただ載せただけの日の丸旅客機は、とうとう日の目を見ることが出来なかったのだ。中止になった技術は次期戦闘機に受け継がれるらしいが、今度はヨーロッパとの共同開発になるらしい。 さて、このような状況を見るにつけ、このお人よしの日本人は、商売に気を使うより、ただ物作りをすることに魅力を感じる人間が多いのではないだろうか。つまり日本人は商売の追求よりも製品の性能を追求することに喜びを見出す民族のようだ。そのことは正倉院に納められる宝物が驚くほどメイドインジャパンであることからも、とうじから日本人は技術を愛する技術フェチの遺伝子を持っていたのではないだろうか。これは世界の常識からすれば、かなりズレた感覚に映るに違いない、だからこそ国を挙げてこのような日本人の特筆を海外との摩擦から守る必要があるのではないだろうか。これは家電製品などの消費財だけではなく、今は人目に触れていないサブカルチャーについてもいえることだ。 つまり、日本に原油のようなエネルギー資源はないが、価値を生み出そうとする瑞々しい心が常にあふれている。その泉は世間の常識など及びもつかないところに、ひっそりと湧き出している可能性がある。その泉が干上がってしまうことのないように社会は大切に見守る必要がある、それが日本にとって最後の資源だからだ。