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2023年 日本を護るために

2024年9月6日gallery,ようこそ,今日のできごと

2024年 7月17日 悲劇の歴史

先の戦争では武器を持たない日本人が80万人以上亡くなられたという、では何故そのような犠牲が出たのかといえば、これまでの認識では、驕り高ぶった軍人たちの暴走という一言で片づけられてしまってきた。それではあまりにも短絡的な見方ではないのかというのが私の思いになる。つまり大東亜戦争は東条英機や近衛文麿の責任だと決めつけてしまうことは、かえって戦争の本質から遠ざかってしまうのではないかという思いなのである。

というのも以前松岡洋右氏の著書「東亜全局の動揺」という書籍を読んだことがある。松岡洋右氏と言えば外交官として有名だが、彼が歴史に登場する場面は、まさに歴史の転換点と言える。いわゆる彼の仕事として挙げられるのは国際連盟の脱退、三国同盟締結が有名で、このことから私は、この書籍を読むまで大東亜戦争における彼の責任は極めて重く、彼の思想には多分大きな偏りがあったのではないかと思っていた。ところが、その本に書かれていた氏の思いはきわめて合理的であり、しかもそのことさえ彼の徹底した愛国心に貫かれたものだったのだ。とはいえ皮肉にも彼の合理主義とその愛国心が彼の思いとはかけ離れた日本の悲劇を生んでしまった。

結局世界情勢に卓越した見識を持ち、さらに強靭な彼の精神力が日本を引き返すことの出来ない悲劇のシナリオに陥れてしまったのだ。その結果真珠湾攻撃を知った彼が激しく狼狽する場面はこの本で特に印象に残るところだ。

ところで、これらの出来事からすでに80年の時が過ぎている。この間様々な反省が繰り返されて来たとは思うが、私は現在の日本の置かれている状況は、当時よりさらに危険な状態にあると思っている。というのも80年以上前の日本における食料自給率は軽く80%台を超えている。これに対し現在は30%台にすぎない。これがどのようなことを意味するか、このブログの読者の方はすぐにお判りになると思う。しかも、もっと深刻なのはエネルギーに対する依存率は当時とは比べ物にならないほど、石油に頼っていることだ。というのも当時は石油に頼らない蒸気機関が鉄道の主流だったのだ。ところが現在の日本のエネルギー環境はどうだろうか、実際のところ石油以外のエネルギーが活用されている場面はむしろ縮小している状態にある。それだけではない、もっと深刻なのは金融や通信の支えとなる電気が、その発電能力の多くをいまだに石油に依存しているからだ。つまりこれが止まることは80年前の日本よりも、さらに大きなダメージを受けかねないという深刻な状況にある。要するに停電の医療機関や銀行はすぐに機能停止に追い込まれる。

では今現在、その石油はどこから運ばれてくるのかといえば、中東から船に載せられ狭いマラッカ海峡を通り、今もって紛争の絶えない南シナ海、そしてますます緊張の度合いを深める東シナ海を通り、やっとの手に入れることが出来るという状況だ。はたして日本の政府は、このことに気づかないのかといえば、気づかないことは絶対にありえないのである。恐ろしいことに、これらすべての危険性を政府は満面の笑みで推進している。そしてこれらのことは、日本にとって武器での解決は極めて難しい、というのも日本が武器での攻撃を一切受けない状況にあったとしても、この状況は直ちに起こりえるからだ。

これまでの歴史を振り返っても、日本が現在ほど危機的な状況に追い込まれた時代はなかった。そのため現代に暮らす我々が日本の未来を担っている。現代の日本人は、今こそ先人の残してくれた誉ある歴史と高潔なる魂が指し示す希望の未来を後人に引き継ぐ責任がある。