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2023年 日本を護るために

2024年5月1日gallery,ようこそ

2024年 1月29日 神聖なる食べ物

私はお米をそのようなものと解釈している。というのも天皇陛下の祭祀や家の神棚にお供えする供え物としても、お水とお塩とお米は欠かせない。これらのものはいにしえより、日本人の主食であり日本における精神文化の土台となっているからだ。

そのことを物語るように、お米はトウモロコシ同様、他の植物には見られない謎の多い不思議な植物と観られているそうだ。ところでそんなお米が今巷で話題になっている。というのも米どころ秋田県で有名なお米あきたこまちに「あきたこまちR」という品種が出来た。今後これを既存の「あきたこまち」と切り替えようという政策がとられているそうなのだ。

さてこの「あきたこまちR」とはどのようなものかといえば、放射線により米を被爆させることによってコメ遺伝子の突然変異を誘発させるものだ。それによりカドミュウムなどの重金属の吸収を抑える性質をあきたこまちに与えるそうだ。はじめてこの情報を知った方はカドミュウムと聞いてぎょっとした方もおられるかもしれないが、実は日本では大正から昭和にかけ急速な工業化による河川や土壌の重金属による汚染が問題になっていた。

このため日本は水俣病、イタイタイ病、四日市喘息など市民に大変悲惨な健康被害が起こった。このような経緯から田畑の環境汚染が問題になり重金属による食物残留値に対する安全基準が国によって示された。残念なことにお米の特徴には、これらの重金属を吸収しやすいという特徴があり、これを抑えるための品種改良が放射線育種という手法で、すでにコシヒカリなども同じ手法で生産された製品が出来ている。

このことに対し私が今回取り上げたのは、この取り組みには少し違和感を感じるからだ。とはいうのもこの件に関してはSNSなどですでに多くの方が問題提起されていて、それにより県は風評被害の心配をされているという状況なのだ。確かにこの問題は一方的な推論や妄信で文章を書いては様々な関係者の方に風評被害のご迷惑をかけることになる、そのためこの記事は出来る限り、しっかりとした情報を参考に記事を書こうと思っている。

さてこの事案で最も私が疑問に感じているのは、従来のあきたこまちも、近々新しく開発された「あきたこまちR」にすべて切り替えるということだ。これに合わせて県のスキームがホームページで公表されている。とはいえこの例外として他県から従来のあきたこまちの苗を持ち込み栽培することは許されるようだ。しかしながら通常このような問題があれば、リスク管理の常識としてリスク分散を図るのが一般的だ。もし種や苗を一斉に切り替えてしまっては後で健康被害など見つかっても元に戻すことは出来ないためだ。

そればかりではない、さらに疑問なのは品種改良という方法に何故全振りするのかという疑問がのこる。簡単に言えばコメの品種改良に固執するだけではなく、そもそも基本的な問題として河川や土壌汚染の方が、遥かに重要な問題ではないのかということだ。この点について食からの情報民主化プロジェクトという記事に気になる情報を見つけた。ここには「現在、農水省の調査によると、国内で生産されているお米のカドミウム残留量は0.1ppm以下が9割近くを占め、0.2ppm以下が98%を超しているとのことだ。この調査によると、日本のほとんどのお米は安全なレベルにあると考えられる。」そうだ、ということは、秋田県は0.2ppmの基準を超える残りの2%に含まれるのだろうか。私は改めて秋田県がこの件に関し掲載している記事を読んでみた。以下に秋田県があきたこまちRを推奨する前文の一部を転記する。

国内における米のカドミウム基準値が0.4ppmであるのに対し、海外では、より厳しい基準(※)が設定されており、それに合わせて国内基準が見直されても対応できるようにする必要があります。

私は、最初この文を読んでカドミュウムが0.4ppmほど残留しているあきたこまちが見つかったのだと思っていたが、よく見るとそうではなかった、この文章は国の基準がこうなのだという説明で、もしEUの示す基準になったら、あきたこまちは基準をクリアーできない可能性がある、そうなればコメの輸出に支障が出ませんかということだ。ほとんど国内で消費されるはずのコメがなぜEUの基準に合わせるのか疑問だが、とはいえここにはEU基準に合わせた場合、現在のあきたこまちの汚染状況はどうなのかというそもそものデータが一切ない。

では私は何故、放射線育種という米についてこれほど問題にするのか「今のところは健康被害も何も問題は起こってないではないか、こんなことをして風評でも流したいのか」と、県の方はお怒りになるかもしれない。では、この米はちゃんとしたデータにより安全性が裏付けされているのかと聞けばどうなるのか。私は今の状況でこの米の安全性は保障されたとは言い難いだろうと思っている。その根拠は同じような不信感を持たれている遺伝子組み換え作物は、いまだにその信用を得たとは言い難いからだ。

現在この作物はすでに世界中に流通しているにもかかわらず、現在もその安全性は確保されたとは言い切れないのだ。そうは言っても遺伝子組み換えと放射線育種という手法は全く違うものだと言われるかもしれないが、遺伝子に影響を与えてしまうという点においては変わることがない。そして遺伝子操作の最も恐れるところは、遺伝子操作の間違いに後から気づいても取り返しがつかないということだ。このような危険性があるために、厚生労働省消費者庁は今でも国民にその警鐘を鳴らしつづけている。しかもこの遺伝子組み換え作物は1980年から流通しだしているにもかかわらず、40年以上たった今日でもその安全性は証明されていないことになる。これに対しあきたこまちRの検証はどのくらいの期間検証されているのか、少なくとも、遺伝子組み換え作物ほどの期間はされていないだろうと思われる。となればその安全性を謳うにはまだ時期尚早ではないだろうか。

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Posted by makotoazuma