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2023年 日本を護るために

2024年5月1日gallery,ようこそ

2023年 7月28日 利上げについて

昨日、日銀による金融政策決定会合の発表があった。結果はYCC変動幅0.5%超も容認という微妙な表現だった。ところが、これを受けたメディア報道は長期金利変動幅の上限0.5%超容認という報道になっていた。しかもご丁寧にYCCの実質的撤廃とも書かれている。表現の自由とはこのような報道であっても、社会的責任を問わないというお墨付きを与えることだろうか。

昨日はこの成り行きに、日本の株価は朝から大きく揺れた。というのも前日から10年債の利回りは0.5%の上限を0.005%超えていたからだ。つまり日銀はYCCの上限0.5%を超える発表をするだろうという予測から一時、日経225は700円を超える値下がりになった。

ところが日銀の発表後大きく値を戻し、最終131円安で取引を終えた。何を言いたいかといえば、日銀の発表はこれほど経済に影響を与えるものなのだ。おそらく住宅ローンを抱えるサラリーマンや投資家は、この成り行きに気が気ではなかっただろう。これほど経済に重大な影響を与えることにも関わらずメディアの報道はこれほど雑で良いのかと悲しくなる。

先にも述べたように長期金利は資金の需給、経済成長率によって自動的に決まる仕組みになっている。またYCCというのは主に既発債の価格が暴落しないよう日銀が買い支えることを示している。この操作によって債券価格を維持しているのだ、つまり昨日の日銀の発表はこのオペレーションの幅にさらに余裕を持たせると言っているので一時的に0.5%を超えての介入もあり得るという、前回0.5%という具体的な数字を示したのに対し、昨日の表現はさらに玉虫色になっている。

ところで、私が疑問に思うのはメディアがなぜこれほど利上げに執着するのかだ。一般人の立場で考えれば金融緩和は、お金が市場に出回ることを意味するので、これを嫌がる理由はない。

逆に利上げとは景気を冷やし経済を停滞させるための目的で行われるものだ。だとすれば、利上げを望むメディアは今すぐ日本の景気を冷やせと言っていることに他ならない。要するにメディアは円安の原因は相手国との金利差が問題だとしたいようだ、確かに昨日の為替の動きは利上げ期待の円高に反応していたが、この動きは正常な市場の動きというよりは、おそらく機関投資家による影響と考えていいだろう。日本と同じ金融緩和の姿勢をとるトルコ通貨が暴落している状況を見れば、金融緩和の継続はこのような結果を招くと言わんばかりに感じる、そのためトルコは2か月連続で利上げを行っている。

ところで、私は以前日銀は政府の機関だと思っていたが、意外なことに政府が55%以上の株式を保有する株式会社なのだ。当然株式会社であれば利益を出して株主に利益を還元しなければならないのだが、その利益はいったい、どこからもたらされるのだろうか。当然それは中央銀行と言えども、貸出利息からもたらされるのである。つまり国債などの貸出利息を増やせば、日銀は当然多くの利益を得ることが出来る。そのため日銀が自分たちの懐のことを考え利上げに励んだとしても、むしろ当たり前の姿といえるのではないだろうか。ところが今の日銀は世界中の中央銀行が利上げに向かう中にあっても、利上げを踏みとどまっているのだ。それは何故か、それは国民の生活を第一に考えての政策だからではないだろうか、現在政府が国民度外視の政策を次々進める中にあって、きわめて頼もしい存在なのである。

 

 

 

 

 

2023年 7月25日 YCCの副作用

何のことかといえば、今日開かれる日銀の金融政策決定会合に向けての意見だそうだ。これもまた今朝の経済番組での話題だ。そのなかで日銀のYCCの副作用というタイトルの特番があった。何かしら新しい情報を期待したが内容はむしろ残念なものだった。

解説は東短リサーチの加藤氏が行っていた。詳しい内容については会社のホームページに記載されているのでこの記事の内容と簡単に比較できるだろう。ところで、YCC(イールドカーブコントロール)については、以前も記事にしていたところだが、その記事に一つ間違えがあった。それは短期金利の決定を政策金利と説明していたが、こちらは2013年にアベノミクスで変更され、現在は資金量の調節で決まるそうだ。(西木事務所H)ということは長短いずれの金利についても日銀は直接操作を行っていないという認識が正しいようだ。

さて改めて特集で説明されていたことは、日銀のYCCが、日本の低賃金と物価安に繋がっているということを図表を使って述べていたが、私にはYCCと日米の賃金格差や物価上昇の違いについてどのような関連性があるのか理解できなかった。

確かにアメリカと日本では賃金や物価に大きな開きがある。問題はYCCとこの関係がどう影響しあうかなのだが、その辺の因果関係については、その根拠すら伝わってこなかったのだ。結局円安の要因は日銀の低金利誘導が要因だと説明したかったようだが、前述のとおり日銀は金利の直接操作は行っていない。ということは短期における現在のマイナス金利はむしろ資金需要に問題があるのではないだろうか。

また、長期金利では、さらに日銀の直接介入が難しい仕組みになっている。長期金利には短期金利のほかに期待インフレ率と期待成長率が加わり、さらにリスク変動を加えたものが長期金利となる。このように今の長期金利は、昔の日銀が公定歩合を直接決めていた時代の認識とはかなり違っている。

そこで改めて、インフレが起こる仕組みを考えると、やはりインフレには、その基になるお金が市場に溢れているという条件が前提になる。このため日銀も政府も金融緩和を一丸となって進めてきた。そうして現在も市場にはお金がじゃぶじゃぶ溢れかえっているはずなのだが、景気は全く循環していないと言うのが日本経済の現状だろう。それは何故かといえば賃金が30年間、全く上がるどころか逆に下がっているためだ。これでは旺盛な購買力が生まれて来る筈もなく、結果的に消費や、経済成長など望めるはずがないのだ。これがアメリカ経済との大きな違いではないだろうか。

では、この問題は日銀が対処するべき問題なのかといえば、それは全くの筋違いだろう。私はこの問題の原因は3つあると思っている。一つは不動産担保価値が減って企業が自前で資金を留保しなければならなくなったこと、もう一つは消費税によって人件費控除のメリットが薄らぎ人件費を増やすことが節税に繋がらなくなったこと、最後に労働組合が賃上げに消極的だったことも大きな要因だろう。しかしながら労働組合について言えば、非正規雇用の波が労働組合の団結力を奪ってしまったことも影響しているだろう、賃金か雇用かと迫られれば雇用を取るのが常識ではないだろうか。

これまで私は何度も同じような記事を書いているような気になるが、私は円安が我々の生活を苦しめているといった誤った認識を持たないように、との思いからこの記事を書いている。今から40年前日本アズナンバーワンと言っていた当時のドル円相場は250円だった、そのおかげで日本はGDP世界2位の経済成長を遂げることが出来ていたのだ。確かに円安はエネルギー価格を高騰させる要因でもあるが原油や天然ガスは中東やロシアが有り余るほど抱えている。ということは政府の外交手腕に庶民の生活は掛かっていると言えなだろうか。

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Posted by makotoazuma