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2024年5月1日gallery,ようこそ

2024年 3月2日 心の機微

明日は桃の節句というのに、今朝は吹雪で窓の外を見ると真っ白だ。歩道を見るとすでに足跡が見えたので雪かきをしてきた。しばらくぶりの雪かきだったが、この時期の雪は水分を含んでいてあまりの重さに心が挫けそうになる。

うんざりしながら部屋に戻ると、部屋には似つかわしくないほどの立派なお雛様が私の労をねぎらってくれた。早速女官からささ(酒)を勧められているようだったが、日もまだ高いのでハッキリお断りをした。ところで大河ドラマの光るの君へをみているといろんな工夫に気づく、眺めて綺麗なのは当たり前なのかもしれないが、歴史ドラマともなると不条理のうごめく途端におどろおどろしい世界になってしまうからだ。このギャップを埋めながらお茶の間に届けるというのは並々ならぬチャレンジの連続なのかもしれない。

そんな演出でこのドラマのBGMはかなり際どいチャレンジの様子がうかがえる、というのもBGMにはクラシックやジャズの名曲が登場してくるそれが違和感として感じることもあれば前回使われたチェロの独奏は心を搔きむしられるような演出効果を上げていた。

そんな挑戦的な演出が随所に散りばめられているドラマなのだが、前回は主人公の紫式部が母親の敵と相対するシーンで主人公が琵琶の演奏をするという場面があった。母の仇ではあるが、家族には恩のある右大臣家の子息藤原道兼を前にして母の形見の琵琶を無言で演奏するという場面だ。ところがこの場面にはほとんどセリフがない。カメラは琵琶と吉高由里子の表情だけを映している。この場面は視聴者も気の毒に思えるくらいの長い間無言の間があり、ここで役者は心の葛藤を表現しなければならないのだ。

因みにこの琵琶という楽器、今でも由緒あるホテルではわざわざ客室にこれを据え置く台が備え付けられているそうだ。そこまでこの楽器が市民権を得ていたとは、私にはわからない世界が沢山ある。そもそもこの楽器を楽しむには何やら特別な感性がいるのではないかと思えるくらい変わっている。私が聞いた限りでは琵琶の演奏を楽しむということは、メロディーやリズムを楽しむ楽器とは言えないのではないかと思ってしまうくらいだ。では何を楽しむ楽器かといえば私には響きそのものを楽しむ楽器ではないかと思えてくる。

そうだとすればこの楽器を楽しむためには、演奏や楽器だけではなく、極めて静寂な環境も必要になるだろう。そのことによって響きがまるで漆黒の闇に溶けていくようなイメージを鑑賞者に伝えることが出来る。というのもその響きはほんの微かな音によって表現されるからだ。例えばバチが弦をこする音や弾かれた弦が胴に触れる音などほんの些細な音が、この楽曲を構成していく。それはまるで奏者の心の機微を音の響きで直接表現するようなイメージになる。ということは、おそらくこの楽器を鑑賞するとすれば、現代音楽の鑑賞に通じるものがあるのではないだろうか。とはいえこんな極端な言い方が出来るのは、洗練された平家物語が誕生する以前の演奏だろう。

ところでこのドラマには左大臣家の源雅信が登場してくる。源家といえば清和源氏と呼ばれ後に源頼朝、義経に繋がる由緒ある血筋だ。この義経の子孫が山形の辺りにおられるのではないかと言われている。というのも独立自尊奥の細道で取り上げた五月雨を集めて速し最上川では、義経の子息が平泉に向かう途中で生まれ、義経とは別の運命をたどったようなのだ。今回めでたく結婚発表をされた大谷翔平氏はその末裔ではないかとも噂されている。これもまた歴史のロマンというものだろうか。

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Posted by makotoazuma