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2023年 日本を護るために

2024年9月22日gallery,ようこそ,今日のできごと

2024年 2月29日 農業基本法の改定

昨日、現内閣で農業基本法の改定について閣議決定があった。これを受けて次期国会では法制化が審議されるそうだ。残念ながら、私は農家ではないので、中身について口を挟む立場に全くない。とはいえこれに対して日本の農家が危機感を持っているのも事実らしい。

これまで日本では様々な農政改革が行われてきたが、この農業基本法は1999年に制定されたものだ。因みに改めてこの年を見ると何故だかわからないが、政府の政策によって日本経済の大きな転換点にもなっている。

さてこの中身をみると、食料、農業、農村という仕切があり当時はこれを食糧安保と呼んでいた。そしてここに掲げる食料という仕切りは主に食料の流通のことについて示されている。改正以前はこれを食料の安全供給と謳って国内生産の増大、安定的な輸入、備蓄の活用というやはり3本柱の構造になっていた。

これに対し今回の改正は食料安全保障の抜本的な強化と題し改正案が創られている。

ところで閣議決定されたばかりの改正案だが、私がこの改正案に対し問題だと思っているのがまる3の項目だ。

③ 農産物の輸出に関する政策的意義について位置付け ・農産物の輸出について、国内生産基盤の維持の観点を追加するとともに、 増大する海外需要に対応し、農業者や食品事業者の収益性の向上に資する 輸出の促進が重要である

と言う文章がある。これのどこが問題なのかといえば、以前紹介した「あきたこまちR」という品種改良はこの考えに則った説明がされていたからだ。つまりあきたこまちを世界的に流通させるためには、カドミュウムの残留濃度の基準をさらに低く設定しなければならないと言った説明だ。とはいえ生産地が今でも汚染されているのかといえば、そのようなデータは公開されていなかった。このように日本の農業が海外の基準によって変えられることになってしまうのではないかという懸念がある。要するに日本の農業を支えるのは海外需要だという読み替えが行われてしまえば、本来国民の健康を守ると言った食料安全保障の目的を見失ってしまうのではないだろうか。

次の農業に関わる項目でここでは、見出しに「環境と調和のとれた産業への転換」と書いてある。では現在政府が推し進める環境対策とは何かといえば、カーボンニュートラルである。つまり脱炭素化のことなのだが、意外かもしれないがこの世界では、世界中の農業はこれに反する取り組みとされている。特に現在やり玉に挙げられているのが酪農で、そのためEUでは農家に対し積極的に廃業を勧めている。これに怒っているのが現在ヨーロッパ中で起こっているトラクターのデモなのだ。さてこれは酪農の話だが、日本もこれに無関係ではない、実は日本の水稲栽培も環境に悪影響を与えているとされているからだ。悪い冗談にも聞こえるが世界のニュースで見るこれの論者は極めて冷静で知的に見えた。

こんなことに文句を言うなら早く戦争を止めてくれと言いたいが、それとこれとは別のようだ。

さて次はコミュニティーつまり農村をどのように考えるかだ。これに対しては「人口減少下における生産水準の維持・発展と地域コミュニティの維持」という長いテーマがついている。

この件についてこのブログでも、現在日本の農業を支える農業人口の高齢化が、日本の農業の先行きに深刻な影響を与えていると言ってきた。これに対して政府は農業の主流である個人経営から企業経営の参加を促している。確かにこれまで日本の文化は、このような個人と地域が密接につながることによって維持されてきた。とはいえ生産者の平均年齢が70歳を超えてしまっている状態では、すでに限界がきているとは言えないだろうか。

これをただちに解消させるためには、ある程度の規模を持った企業経営も認めざるを得ない。とはいえ現在の企業といえば新規では株式会社ということになるが、現在の主要な株式会社を見ればそのほとんどは海外資本握っている。これでは日本人の食糧安保という目的は果たせない。私が望むのは公社化かせめて、農業者で営まれる相互会社のような経営が出来ないものかと思っている。このような経営が可能になれば疲弊する地方経済においても、中央から人的交流や資金が流れやすくなる。また安定した農業経営が可能になれば、地方に定住しようとする人口も今より増えてくるに違いない。要するに地方に定住するための必然性が整えば、無秩序な企業誘致も必要なく、安定した人口増加が見込まれるのではないだろうか。