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2023年 日本を護るために

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2023年 12月14日 忠臣蔵

年末が近づくと日本では、必ずこの話がTVを賑わす。海外でもこの話を基にバレーやハリウッド映画まで登場してしまうくらいだ。一昔前までは47士の討ち入りなど知らない日本人は想像できなかったが、最近は全く自信が持てない。

とはいえ、一昔前の社畜と言われる日本人のメンタリティーは海外の人から見れば、まさにこの物語の世界のように受け取られていたのかもしれない。それほどこの物語は日本人の特異行動をよく表している。

さてこの物語を貫く大きなテーマは自分を顧みないほどの忠誠心だ。もちろんこの物語は史実の赤穂事件を元にした仮名手本忠臣蔵という物語で浄瑠璃や歌舞伎の演目として初演から大変な人気があった。また現在でもこの人気は衰えず俵星玄蕃という新作まで登場している。とはいえいずれの芸能も庶民が楽しむ芸能で、お公家さんやお武家さんが嗜むものではない。逆に言えば町民や農民などが忠義や滅私奉公などを美徳として暮らしていたということではないだろうか。

そしてその思いは日本人のアイデンティティーとして現代まで脈々と受け継がれてきた。ところで江戸時代から語り継がれてきたこの物語にも私は疑問を持つことがある。それがこの物語の核心でもある何故浅野内匠頭は敵役吉良 上野介に切りかかったのかということだ。その経緯は物語の中で詳細に語られてはいるが、話のように主君が我慢に耐えきれず刃傷沙汰に及んだというのは考えづらい。

というのも浅野家といえば皇室ともつながる大変な名家で、うる覚えだが経営科学の動画で、忠臣蔵は浅野家と吉良家の皇統に関する確執ではないかという考察があった。確かにこのように考えればこれほどの規模で仇討ちが行われたのも理解出来るように思う。動画では高家とは幕府目線で儀礼を指南するお役目で、対する浅野内匠頭は勅令馳走役という、いわば公家方のパイプ役になるのだ。ということは、もしこの時、内匠頭が吉良家の動きに皇統に対する危機感を感じていたのだとしたらどうだろうか。この事件はお家の大事よりも皇統を優先させてしまった結果とは言えないだろうか。つまり忠臣蔵がこれほど庶民に愛されていたというのは、この顛末を当時の一般庶民は快く思っていたということなのだ。

というのもこのことを示すように有名な忠臣蔵の討ち入りのシーンでは、大石内蔵助は討ち入りの合図に山鹿流陣太鼓を打ち鳴らしている。さすがに隠密裏に行動しなければならないはずのこのシーンは高倉健主演の「47人の刺客」では除かれていたが、私はこの非常識な演出に当時の庶民は何らかの意味を見出していたのだと思っている。どのようなことかといえば山鹿流陣太鼓というのは、当時から実際には存在していないそうなのだ。とはいえ重要なのは山鹿流という言葉にある、山鹿流とは山鹿素行により始まった兵法だが、その考えは皇統にも関わっている。

そしてこの兵法は吉田松陰などにも影響を与え、明治になっても途切れることはなかった。後にこの兵法を学ぶ乃木希典は日露戦争の英雄となるが、その人柄は自国の将兵はもとより、戦を交えた敵国の将からも称賛されていた。とはいえ、そんな華々しい戦果を挙げた乃木希典であっても、彼の心は最後まで戦争で亡くなった将兵の痛みを忘れることは出来なかったのだろう。その思いから乃木夫妻は明治天皇の崩御に際しその身を殉じている。

つまり忠臣蔵とは庶民の慰みの娯楽にすぎないが、その根底には何事にも代えがたい庶民の皇統への熱い思いがあるのだ。

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Posted by makotoazuma