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2023年 日本を護るために

2024年5月1日gallery,ようこそ

2024年 1月11日 インフレで賃金が上がらない理由

という見出しの記事を見つけた。さっそく記事を読んでみると驚いた、これまで私がこのブログに書いてきたこととは真逆のことが書いてあったからだ。さらにその記事には経済のプロが書いたとあるので、かなりの説得力がある。ではこの記事による日本人の賃金が低い理由とは、個人の労働生産性が低いためなのだそうだ。そして生産性の低い労働者が日本の少子化を招いているとも言っている。

それではここで言われている生産性とは何のことかと調べてみると単純に商品をいくらのコストで作るかということで、ようするに10人で作るものを5人で作れば生産性は上がるという単純な考えだ。とはいえ、この考えに基づき日本は30年以上も前から取り組んできたのではなっかっただろうか。

この結果が現在の日本経済で、結局この考えにより、将来を見通せる安定した収入の正社員が減り、より収入の不安定な非正規雇用の労働者が増えてしまった。確かにこの政策が始まる頃は、周りの新興国による経済発展が目覚ましく、このような国々と対等に生産力を競うには生産コストを見直す必要があったのは間違いない。

とはいえ、その取り組みでGDPで世界4位の国が、国民一人当たりのGDPで見ると世界30位というアジアで新興国の下位の国と肩を並べるという訳のわからない状況になっているのではないだろうか。さらにこの記事によればその生産効率の悪さは企業のほとんどを占める中小企業の生産性の悪さにあると言っている。この見識についても私の見方とは相いれない。私は日本がいまだに技術立国を名乗れるのは株式上場されていなかった中小企業が、そのことで自前の技術を護ることが出来たためだと思っている。このことはこれまで世界のトップ企業だった家電大手が現在どのような状況にあるかを見れば考えるまでもない、ほとんどの日本企業はすでに外資企業と言ってもいい状態なのだ。この状態では技術の秘匿性が担保できるはずもなく、今では日本が半導体や有機LEDの輸入国になるという皮肉な結果になっている。

さて私がこの記事で最も気になるのは、日本はマンパワーが小さい、などという間違った刷り込みだ。というのは現在能登半島での被災や日航機の事故で見せた日本人のマンパワーの高さは逆に世界の称賛を浴びている。これは生産力などという目先の数字には表れない、人命や社会秩序を第一に考えるという高い精神の力の表れである。要するに今だに、このような日本人の精神性の高さによって日本製品は高いブランド力を維持しているのだ。

では私が考える賃金上昇の策とは、これまで私が述べてきたことを整理すると大きく3つある。

1つは経済の方向性を政府が示すこと、現在最も優先すべきなのはエネルギーの確保である。そのため政府はこれを国の大きな戦略としてこれの見通しを国民に示す必要がある。確かに現在も政府はグリーンエネルギーに対する様々な政策を行っているが、あまりにも複雑すぎて内容が誰にも届いていないのではないだろうか。だとすれば、政府はエネルギー政策の方向性を示すに留めて具体的な取り組みからは一歩距離を置いた方がよいのかもしれない。つまり具体的な実行にあたっては民間に任せて、むしろその支援に徹した方が良い結果が得られるかもしれない。

2つ目は産業インフラの整備だろう、特に輸送インフラは整備が急がれる。今回の震災における道路交通の重要性は改めて感じるところだが、同時に鉄道輸送の重要要性も浮き彫りになったのではないだろうか。確かに過疎地で乗客を運ぶためだけで鉄道輸送を考えれば、コストに見合うものではないかもしれない。とはいえ今回のように一時的に大量の物資を届けなければならない事態に陥れば、復旧のスピードなどを考えても、なくてはならないインフラのように感じる。そうだとすれば緊急時の輸送経路として鉄路の貨物輸送は維持すべき輸送インフラではないだろうか、さらに言えば国防という観点からも鉄路は有効である。例えば有事の際の物資や兵員輸送、或いは市民の緊急避難用に絶大な効果を上げるはずだ。この点で被災者の緊急移動は被災地域の2次被害を避けるため杉良太郎氏より被災地県外への避難を提言されている。

3つ目が賃金上昇させるための税制改正だ。この取り組みは減税を言っているのではなく、法人税と消費税の割合を見直してほしいと言っている。というのもいずれの税も最終的に企業が同じ売り上げから支払っている。たとえこの割合を変えたとしても、企業は納税額が増えるわけではない。むしろそうなると企業は節税のために、収益から積極的に人件費を増し節税に向かうはずだ。確かにこうなれば税収は一時的には減るように感じるが、個人の収入が増えれば、最終的に所得税や社会保険料としてガラス張りの状態で政府に入ってくる。インボイスなどという無理な徴税をしなくても所得税を納める人間が自動的に増えるのだ。

さらに国民が安定した収入の元に暮らせるようになれば、住宅ローンや、自動車ローンなど個人の資金需要が自ずと高まり、これに合わせて企業の資金需要も高まるというものだ。これが本来2013年に始まった三本の矢の経済見通しだったはずだが、結局経済の立て直しは消費税の増税により個人消費が逆に落ち込み、さらに構造改革と生産力向上を信じた大手企業は人件費のコストカットに血眼になってしまった。結局日本が手に入れたのは最先端の工業技術どころか、海外資本による日本株の占有ではなかったのか。

これが悲しいかな日本経済の現状である。とはいえこれほど悲しい状況の日本であっても、国際社会では、いまだに日本は経済的優位にある、このことは、先に述べた日本国民の労働に対する誠実な姿勢と社会のために尽くす清らかな魂によるものではないのだろうか。つまり我が国の目指すところとはGDPの数字が増えることではなく、このように誠実な国民が安心して暮らせるようになることではないだろうか。国民が幸せにならずして国の繁栄はない。

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Posted by makotoazuma